令和6年4月の地殻変動

ad

2024-05-10 国土地理院

全国の地殻変動概況

国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2024年3月下旬から2024年4月下旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙1~7のとおりです。東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。また、能登半島を中心に、令和6年能登半島地震後の余効変動が見られます。火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

令和6年4月の地殻変動

トピックス
  • 4月3日に発生した台湾付近の地震活動(M7.7、最大震度4)では、GNSS観測によると、「与那国B」で西北西方向にわずかな地殻変動が確認されました。(別紙8)
  • 4月17日に発生した豊後水道の地震活動(M6.6、最大震度6弱)では、GNSS観測によると、震源域周辺においてごくわずかな地殻変動が確認されました。(別紙9)
  • 能登半島及びその周辺では、令和6年能登半島地震後の余効変動と考えられる地殻変動が見られています。(別紙10)
  • 静岡県西部から愛知県東部では、2022年初頭からそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この変動は、東海周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙11)
  • 四国中部で、2019年春頃から観測されているそれまでの傾向とは異なる地殻変動は、2023年秋頃から一時的に鈍化していましたが、最近は継続しているように見えます。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙12)
  • 浅間山では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙13)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」では南向きの変動が継続しています。(別紙14)
  • 西之島では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、火砕丘に見られる変動以外に特段の変化は見られません。(別紙15)
  • 阿蘇山では、2023年12月頃から阿蘇山を挟む「阿蘇」-「長陽」等の基線で見られたわずかな伸びは、2024年2月頃から停滞しています。(別紙16)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「鹿児島福山」等の基線で2023年9月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年12月頃から停滞しています。桜島島内の「桜島」-「鹿児島2」等の基線で2023年10月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年12月頃から停滞しています。(別紙17)
  • 薩摩硫黄島では、「鹿児島三島」で2023年10月頃から西向きのわずかな変動が見られます。(別紙18)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙19)
  • 諏訪之瀬島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙20)
補足説明
  • 全国の1年間(2023年4月下旬から2024年4月下旬まで)の地殻変動からは、以下のような傾向が見られます。(別紙21)
    ・東北地方を中心とした広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    ・硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    ・能登半島及びその周辺では、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震に伴う地殻変動が見られます。
    ・その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
出典

本資料を利用する際は、国土地理院コンテンツ利用規約に従ってご利用ください。 なお、利用にあたっては、出典の記載をお願いします。 (出典記載例) 「出典:国土地理院」

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
(電子基準点等による地殻変動に関すること)
測地観測センター  地殻監視課長  宮本 純一

(だいち2号観測データの解析結果に関すること)
測地部 宇宙測地課長  栗原 忍

(GNSSデータから推定されたすべり分布に関すること)
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  宗包 浩志

1702地球物理及び地球化学
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました