“四次元”の電子を実験でとらえる~”つかみどころのない電子”をどうやって観測するか~

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2024-01-24 愛媛大学

このたび、愛媛大学大学院理工学研究科内藤俊雄教授を中心とする研究グループは、ディラック電子系と呼ばれる特殊な電子の物質中での振る舞いを観察することに成功しました。この研究は三次元空間(x, y, z)での電子のエネルギー(E)をグラフにするために、四次元空間(x, y, z, E)を必要とします。理論的にはいろいろな方向から分けて観測すれば良いのですが、この電子自体がこれまでの物質中の電子とは全く振る舞いが異なっているうえ、普通の電子も共存しているため、正攻法では観測できませんでした。同グループは電子スピン共鳴という測定に独自の解析法を適用することで、これに成功しました。この解析方法は汎用性が高く、ディラック電子に限らず今後の物性研究に広く活躍が期待されるものです。

なお、本研究は東邦大学および北海道大学との共同研究であり、本成果は英国王立科学会のオープンジャーナル(インターネット上で無料配信される一般公開誌)Materials Advancesに2023年10月31日から速報的に公開されており、表紙の挿絵とともに2024年2月21日(第4号)に掲載される予定です。

論文情報

掲載誌 : Materials Advances
DOI : 10.1039/D3MA00619K
題名 : Nearly three-dimensional Dirac fermions in an organic crystalline material unveiled by electron spin resonance
日本語訳:電子スピン共鳴によって見えた有機結晶性材料中の擬三次元的ディラック粒子
著者 : Ryuhei Oka, Keishi Ohara, Naoya Tajima, Toshihiro Shimada, and Toshio Naito
責任者 : Toshio Naito(内藤俊雄・愛媛大学)

プレスリリース資料はこちら(PDF 800KB)

本件に関する問い合わせ先

(担当部署)愛媛大学大学院理工学研究科
(担当者名)内藤 俊雄

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