10元系多元素酸化物ナノ結晶の瞬時合成~1秒未満で合成完了!焼成が不要な合成方法~

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2024-01-05 京都大学

北川宏 理学研究科教授、草田康平 白眉センター/高等研究院特定准教授(兼:理学研究科連携准教授)らの共同研究グループは、10種類の金属元素を含むペロブスカイト型ハイエントロピー酸化物(HEO)ナノ粒子の瞬時合成に世界で初めて成功しました。HEOは、多数の元素を混合することで新しい物性を発現させる近年注目されているハイエントロピー物質の一種で、イオン伝導体、触媒、熱電材料などとして研究されています。本研究では超臨界水フロー反応装置を用いることによって、急速加熱・冷却を実現し、一瞬で様々な性質を持つ異なる金属イオンが複合化した酸化物ナノ粒子を合成することに成功しました。本手法は他の金属イオンの組み合わせにも適用できると考えられ、今後、触媒をはじめとした酸化物ナノ粒子の性能向上が期待されます。また、従来の合成手法では得られなかった新たな元素の組み合わせも可能となり、新しい酸化物ナノ物質の開発につながります。現在、これらの成果を広く社会に提供するために、企業との共同研究や試料提供を進めています。

本研究成果は、2023年12月28日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。

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超臨界水フロー反応装置と得られた10元系ハイエントロピー酸化物ナノ粒子のイメージおよび、その電子顕微鏡像(右下)。粒子のイメージで異なる色の球は異なる元素を表す。

研究者のコメント

「これまでナノ合金を多元素化することに成功しており、その触媒としての性能が向上することを見出してきましたが、その知見を活かし、HEOナノ粒子の合成にも成功できました。元素数を増やすことで問題が複雑化し、メカニズム解析など困難になっていきますが、今後、成果を増やしていくことで、その解明に挑戦していきたいと考えています。そして、合金と酸化物の両方から、さらなる物質開発を推進し、現在問題となっているエネルギー問題や環境問題をはじめとした社会問題に貢献できる発見ができるよう研究を行います。」(草田康平)

詳しい研究内容について

10元系多元素酸化物ナノ結晶の瞬時合成―1秒未満で合成完了!焼成が不要な合成方法―

研究者情報

研究者名

北川 宏

京都大学 教育研究活動データベース

研究者名

草田 康平

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