エネルギー貯蔵の革新への飛躍的な一歩となる新ナノ構造合金アノード

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(New nanostructured alloy for anode is a big step toward revolutionizing energy storage)

2021/1/11 アメリカ合衆国・オレゴン州立大学 (OSU)

エネルギー貯蔵の革新への飛躍的な一歩となる新ナノ構造合金アノード

・ OSU、セントラル・フロリダ大学およびヒューストン大学が、3D構造の「亜鉛-M(マンガンとその他の金属)合金による電池負極を開発。エネルギー貯蔵デバイスの設計・製造方法の変革と、より安全・安価な水系電解質利用の可能性を提供する。
・ 世界のエネルギー需要が高まる一方、高エネルギー密度と長いサイクル寿命を備えた次世代電気化学的エネルギー貯蔵システムの開発には課題が多い。リチウムイオン電池の安全な代替として、水ベースの導電性溶液を電解質として利用する水系リチウムイオン電池が注目されているが、低いエネルギー密度と、水とリチウムの反応による危険性が課題となっている。
・ リチウムイオン電池の電解質は有機溶媒に溶解しており、可燃性で高動作電圧で分解する。また、電極と電解質の界面に成長するデンドライト(リチウム金属の樹状突起)は、電極間の短絡の原因となり、発火等につながる恐れがある。
・ 水系電解質は、低コストで環境に優しく、急速充電・高出力密度で取り扱いが非常に容易だが、出力電圧とエネルギー密度の低さが大規模利用を制限している。高エネルギー密度の電池ではより多くエネルギーを貯蔵し、高出力密度の電池は大量のエネルギーをより速く放出する。
・ 新負極を構成する特殊なナノ構造の合金は、表面反応熱力学と反応速度を制御することでデンドライト形成を抑制し、過酷な電気化学的条件下で数千サイクルの超高安定性を実証。亜鉛はリチウムの 2 倍の電荷を運べるため、エネルギー密度が向上。純粋の代わりに海水を電解質として使用した水系電池の試験では、大規模の商用製造の可能性が示された。
・ X 線吸光分光法と画像化で作動段階毎の負極の原子的・化学的変化を追跡し、3D 合金の働きを解明。合金表面上の理想的な亜鉛拡散チャネルにより、これまでにない界面安定性を実現した。本研究で実証したコンセプトは、水系・非水系電池の高性能合金負極設計にパラダイムシフトを起こし、電池産業に革新をもたらす可能性が期待できる。
・ 本研究は、米国立科学財団(NSF)が支援した。
URL: https://today.oregonstate.edu/news/new-nanostructured-alloy-anode-big-step-toward-revolutionizing-energy-storage

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Nature Communications(フルテキスト)
Stable, high-performance, dendrite-free, seawater-based aqueous batteries
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-020-20334-6

Abstract

Metal anode instability, including dendrite growth, metal corrosion, and hetero-ions interference, occurring at the electrolyte/electrode interface of aqueous batteries, are among the most critical issues hindering their widespread use in energy storage. Herein, a universal strategy is proposed to overcome the anode instability issues by rationally designing alloyed materials, using Zn-M alloys as model systems (M = Mn and other transition metals). An in-situ optical visualization coupled with finite element analysis is utilized to mimic actual electrochemical environments analogous to the actual aqueous batteries and analyze the complex electrochemical behaviors. The Zn-Mn alloy anodes achieved stability over thousands of cycles even under harsh electrochemical conditions, including testing in seawater-based aqueous electrolytes and using a high current density of 80 mA cm−2. The proposed design strategy and the in-situ visualization protocol for the observation of dendrite growth set up a new milestone in developing durable electrodes for aqueous batteries and beyond.

0501セラミックス及び無機化学製品
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