(Solving battery-free devices’ short-term memory loss)
2020/5/27 ｱﾒﾘｶ合衆国・ノースウェスタン大学
・ ノースウェスタン大学とオランダ・デルフト工科大学(TU Delft)が、一時的な電力供給停止時のバッテリーフリーデバイスによる時間記録を可能にする新システムを開発。
・ 太陽、運動や熱等の環境発電技術で作動するバッテリーフリーの小型 IoT デバイスの普及は、電池の大量廃棄による環境汚染の問題解決に貢献できるが、それらのデバイスの課題は予測不可能な環境エネルギー源の切り替えにより頻繁に起こる短時間の電力供給の停止。
・ 多くのシステムサービスやセキュリティー機能の基礎を支え、コンピュータによる動作中のアプリケーションの把握を助ける時間の記録は、コンピューティングシステムにおいて最も重要なリソースの一つ。新システムは、多発する電力停止にかかわらず、あらゆる IoT デバイスで確実に時間を記録する。
・ 例えば、コンピュータの作業時に電源が落ちると、直近の作業の復元と作業リストの調査を実施し数分後に再起動するが、未保存の作業は失われる。セキュリティーカメラや医療用センサー等の小型 IoTデバイスが一時的に電力が停止するたびにこのような現象が起きた場合、これらのデバイスの有用性は損なわれる。
・ 新システムは、電力供給停止前に残された「パンくず」を利用して時間と状態を速やかに再構築し、電力停止が認識できないほど極めて迅速にデバイスを再起動させる。
・ 同システムの開発の動機は、環境に廃棄される使用済みリチウムイオン電池の低減。リチウムは採掘にエネルギーや水を大量に消費することに加え、リサイクル工場で発火する危険性のある可燃性・有毒性の物質。
・ 主要な IT 企業が今後 50 年以内に数兆個の IoT デバイスが普及すると予測していることからも、膨大な量の廃棄物の発生が懸念されるため、電池を不要とする環境発電技術システムの開発の重要性は明白と考える。
・ 本研究は、米国立科学財団(NSF)およびオランダ科学研究機構が支援した。
URL: https://news.northwestern.edu/stories/2020/05/solving-battery-free-devices-short-termmemory-loss/
＜NDO海外技術情報より＞
（関連情報)
Architectural Support for Programming Languages and Operating Systems (ASPLOS) 2020 発表論文
(フルテキスト）
Time-sensitive Intermittent Computing Meets Legacy Software
URL: https://zenodo.org/record/3563082#.Xs8Qq3DgrIV
（関連情報)
Architectural Support for Programming Languages and Operating Systems (ASPLOS) 2020 発表論文
(フルテキスト）
Reliable Timekeeping for Intermittent Computing – ASPLOS 2020 Artifact
URL: https://zenodo.org/record/3612620#.Xux6-7mCjmJ
Abstract
TICS is a framework that allows for C programs to be executed on intermittent power, harvested from the environment. TICS consists of multiple components that together make sure that the program that is being executed continues where it left off after a power failure. Additionally, TICS does this in a way that leads to checkpoint times that can be bounded to a reasonable upper limit, making reasoning about checkpoint placement dynamically possible.
