腸内環境情報を利用した生活習慣指導AIシステムの開発を開始

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生活習慣病の克服と保険費・医療費削減に貢献

2019-11-14 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 理事長 石塚博昭

NEDOの「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」において、(株)メタジェンと(株)MOLCUREは、腸内環境情報を利用した最適な減量方法の予測で生活習慣病の予防を効率化する業界横断型人工知能(AI)システムの開発を開始します。

本事業では、生活習慣病の予防に重要な食習慣の改善を促す手掛かりとして腸内環境に着目し、これまでの特定保健指導の現場で考慮されていなかった個人差に起因する体重を減少させる腸内環境因子を利用することで、効果的・効率的な生活習慣の改善指導サポートを行うAIシステムの開発を目指します。

本事業を通じて、予防医療を指向した生活習慣病の克服により、世界が抱える健康課題の解決とともに保険費・医療費の削減といった社会課題の解決に貢献します。

事業の全体像イメージ図

図 事業の全体像イメージ

1.概要

政府は、「Society 5.0※1」を実現するため、さまざまなデータを介した繋がりによって新たな付加価値創出や社会課題解決を目指す「Connected Industries」政策を推進しています。「Connected Industries」重点5分野の一つであるスマートライフ分野では、さまざまな生活関連情報がつながることで、生活の不便の解消や少子高齢化が抱える社会課題を解決することが期待されています。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、業界横断型人工知能(AI)システムの開発と業界共用データ基盤の開発を通じて、国内企業にとどまらない幅広いデータ連携による価値創出の促進を目的に「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業※2」を推進しています。

本事業の助成先である株式会社メタジェンと株式会社MOLCUREは、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防・改善を目的とする特定保健指導※3の現場で適用可能な、業界横断型AIシステムを開発する「腸内環境情報を利用した生活習慣指導AIの事業化を目指した開発事業」を開始します。

ヒトの腸内には数百種類以上にも及ぶ腸内細菌の集団(腸内細菌叢:ちょうないさいきんそう)が生息しており、近年では肥満や生活習慣病の発症あるいは増悪に腸内細菌叢が関与していることが明らかにされてきています。また、腸内細菌叢のバランスは個々人で異なり、この差異は食習慣に大きく依存すると考えられています。したがって、個々人で異なる腸内環境情報を基に適切に食習慣の改善を促し、腸内細菌叢のバランスを整えることは減量の効率化や生活習慣病の予防・改善につながると期待されます。

本事業で(株)メタジェンと(株)MOLCUREは、生活習慣病の予防に重要な食習慣の改善を促す手掛かりとして腸内環境に着目し、下記連携先2社と協力して腸内環境データと健診データの取得を行い、そのデータを分析することで個人の腸内環境に応じた生活習慣の改善指導サポートを行うAIシステムの開発を実施します。

食習慣や定期的な運動など、生活習慣の改善によって生活習慣病を予防する取り組みとして実施される特定保健指導に腸内環境という新たな視点を加えることにより、個々人に対して最適な指導を行い、改善効果を高めることを目指します。さらに、予防医療を指向した生活習慣病の克服により、世界が抱える健康課題の解決と共に保険費・医療費の削減といった社会課題の解決にも貢献します。

2.採択テーマと助成事業者
事業名:
Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業/業界横断型AIシステムの開発/腸内環境情報を利用した生活習慣指導AIの事業化を目指した開発事業
助成先:
株式会社メタジェン

株式会社MOLCURE

助成先の連携先(協力分野):
SOMPOヘルスサポート株式会社(参加者募集・運営協力)

株式会社町田予防衛生研究所(実データの取得)

事業期間:
2019年度から最長2021年度
【注釈】
※1 Society 5.0
第5期科学技術基本計画(2016年1月22日閣議決定)において、日本が目指すべき未来社会の姿として提唱された概念で、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続くものとして、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、社会課題の早期解決と新産業の創出を両立する新たな社会を指します。
※2 Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業
Connected Industries重点5分野を中心に、海外や他分野に横展開可能で、スタートアップなどの新規プレーヤーに開放的なデータエコシステムの構築につながる業界横断型AIシステムの開発と業界共用データ基盤の開発を通じて、AIシステムとデータプラットフォームが一体となったAI・データエコシステムの成功事例を創出し、国内企業にとどまらない幅広いデータ連携による価値の創出を促進します。
※3 特定保健指導
特定健診結果に基づく生活習慣改善指導で、肥満度(腹囲・BMI)、血圧、血糖、脂質、喫煙などを評価項目としています。
3.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部 担当:八重樫、大宮、工藤

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:中里、坂本、佐藤 

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