(News Release: Analysis Shows Enzyme-Based Plastics Recycling Is More Energy Efficient, Better for Environmen)
2021-07-15 アメリカ合衆国・国立再生可能エネルギー研究所(NREL)
・ NREL やポートマス大学等を含む「BOTTLE」コンソーシアムが、酵素を利用したポリエチレンテレフタレート(PET)のリサイクル方法が、より持続可能なアプローチであるとする報告書を発表。
・ 「BOTTLE」では、エネルギー高効率、コスト効果的でスケーラブルなリサイクル・アップサイクル技術の開発と、リサイクル性を予め取り入れた現代的なプラスチック設計の 2 つの革新的なアプローチを通じ、プラスチック汚染の課題に取り組んでいる。
・ PET は、世界で最も多く生産されている合成ポリマーの一つで、その年間生産量は 8 千 2 百万トンにも上り、そのうち約 54%が衣料やカーペット用の繊維製品の製造に使用されている。
・ 今回の報告では、酵素を使用してリサイクルした PET がエネルギー、炭素排出量と社会経済的影響において、化石燃料ベースの従来の PET 製造方法を上回ることを提示。酵素リサイクルプロセスでは、PET をその構成要素であるテレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)に分解する。
・ 酵素による PET リサイクルのコンセプトの進展と大規模実施により、PET リサイクルの新手法の展開や、未リサイクルの PET による繊維製品や材料のリサイクルメカニズムの創出の可能性が見込める。
・ 米国の年間 PET 使用量 3 百万トンの一部分を利用する概念的なリサイクル施設をモデル化し、化石燃料ベースの従来の PET 製造ルートに比べ、サプライチェーンの総エネルギー消費量が TPA1kg 当たり 69%~83%、また温暖化ガス排出量が 17%~43%削減できることを確認した。
・ また、酵素によるリサイクルプロセスは、環境負荷を最大で 95%低減しながら、材料再生施設での現地雇用を含む社会経済的な便益を最大で 45%増加させる。
・ さらに、バージン PET とのコストパリティー達成の可能性も予測。衣料やカーペット等の PET リッチな廃棄原料のリサイクルを可能にすると共に、PET 製造の脱炭素に向けた同リサイクル技術の可能性を強調する。
・ 本研究は、米国エネルギー省(DOE)の先進製造業室(AMO)およびバイオエネルギー技術局(BETO)が資金を提供した。
URL: https://www.nrel.gov/news/press/2021/analysis-shows-enzyme-based-plastics-recycling-is-more-energy-efficient-better-for-environment.html
<NEDO海外技術情報より>
(関連情報)
Joule 掲載論文(フルテキスト)
Techno-economic, life-cycle, and socioeconomic impact analysis of enzymatic recycling of
poly(ethylene terephthalate)
URL: https://www.cell.com/joule/fulltext/S2542-4351(21)00303-2