5Gによる産業用IoTソリューションのテストを開始

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各産業のDXに向けたプラットフォーム技術とソリューション開発を加速

2020-09-25 株式会社日立製作所

[画像]シリコンバレーリサーチセンターにて、ロボットアームを利用した5Gのユースケースを研究する様子
シリコンバレーリサーチセンターにて、ロボットアームを利用した5Gのユースケースを研究する様子*1

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、エリクソン社の協力のもと、日立アメリカ社の研究開発部門の一部である米国カリフォルニア州のシリコンバレーリサーチセンターに、専用5Gネットワークを構築しました。5Gネットワークと日立の持つプラットフォーム技術を活用することで、さまざまな産業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、その価値を実証していきます。

  非常に信頼性が高く低遅延の通信を提供する5Gのネットワーク技術には、社会の在り方を大きく変えることが期待されており、通信分野だけではなく、さまざまな産業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる力があります。5Gの導入によってレジリエンス(持続・継続性)や効率性が得られ、インダストリー、モビリティ、ヘルスケア、エネルギー、ITなどの産業分野で活用されるとともに、5Gを活用した新たなビジネスモデル創生支援も期待されています。

  日立は、地域のインフラやニーズに合わせた、さまざまな5Gのソリューションを開発するために、多面的なアプローチを取っています。日立がこれまで培ってきた豊富なOT(Operational Technology:制御、運用技術)のノウハウと、AIなどの先端デジタルテクノロジーを組み合わせ、お客さまとの協創を通じてデジタルソリューションであるLumadaを開発してきました。Lumadaを活用することでお客さまが直面するさまざまな課題を解決して、ビジネスにおけるデジタルトランスフォーメーションを加速しています。5Gはビジネスインフラをよりダイナミックにし、「ニューノーマル」時代における事業の継続性やレジリエンスを高めることが期待されています。日立は、Lumada×5Gを通じて、これらのメリットを強化し、お客さまに付加価値を提供していきます。

  このたび、日立アメリカ社はエリクソン社と提携し、カリフォルニア州サンタクララにあるシリコンバレーリサーチセンターに専用5Gネットワークを構築しました。このネットワークを活用し、お客さまに価値を提供する5Gソリューションの開発と検証を加速します。日立アメリカ社は、ジョージア工科大学と共同で開発した、人とロボットが一緒に作業を行うコラボラティブ・ロボティクス遠隔操作技術を用いた製造ソリューションの実証を始める予定です。さらに、エリクソン社と共同で、今回構築した専用5Gネットワークを活用した産業ソリューションの開発を進めていきます。

  「5Gの採用が加速している中、エリクソン社は、日立とそのエコシステムパートナーと協力して、製品パイプラインの需要を満たす、業種別の5G対応IoTソリューションを検討しています。新たに構築したこの専用5Gネットワークは、今後の協業にむけたさらなる証です。」と、エリクソン社の先端インダストリー部門のエリック・ヨセフソン部門長は述べています。

  社会は、非接触で完全に自動化されたシステムを人間の監督のもとで実現することを求めており、今後、人間とロボットのコラボレーションを可能とするロボティクス技術が重要となっていきます。人間による産業ロボットの遠隔操作や、マルチアクセス・エッジコンピューティング(MEC)サーバ上の解析/制御機能によるロボットの直感的操作には、現場の状況を正確に把握できる、高速の通信技術が必要になります。また、パーソナライゼーションの進展に伴い、現在の製造業はハイパーカスタマイゼーションへと急速に進化しており、フレキシブルな生産ラインが求められています。

  現場の規模に応じた、柔軟な製造の自動化を可能にするキーテクノロジーは、5GやTSN(タイムセンシティブ・ネットワーキング)を基盤とした「ロボティクスとAI」です。日立は、ジョージア工科大学とともに、5GエッジのAI技術を活用し、柔軟に自動化を実現することができるアプリケーションを開発しています。そのアプリケーションの一つに、リアルタイムでインタラクティブな、熟練作業者と機械のリモート・コラボレーションがあります。この技術では、MECサーバに割り当てた5GエッジAI技術と、5Gを介して現場から収集した大量のセンサデータ(4K映像とTOF*2センサの情報で構成)を活用して、遠隔地にいる作業者の判断を支援し、ロボットを最適に制御することが可能です。

  例えば、完全に自動化されたロボットアームピッキング作業では、ピッキング対象物がベルトコンベアに正しく置かれていない場合や、サイズや形状が異なる場合に故障で誤動作を起こしますが、日立の5GエッジAI技術は大量のセンサデータをリアルタイムに解析することで、シームレスで直感的なロボットアームの遠隔制御を実現します。また、遠隔操作者が直接ロボットアームを操作する方法に比べて、作業時間を50~70%短縮することが期待されます。この技術は、製造現場に応じて柔軟な自動化を実現し、製造業のハイパーカスタマイゼーションに貢献します。

  ジョージア工科大学ロボット・知能機械研究所のソニア・チェルノバ准教授は、「日立のシリコンバレーリサーチセンターは、コラボラティブ・ロボティクスシステムに関する新技術を開発する上で重要な実証の場となるでしょう。適応型オートメーションの実現には、さまざまなセンサから得られる高品質でマルチモーダルなデータへのアクセスが必要となります。日立が開発する5Gソリューションは、このようなデータの大規模な収集、集計、展開に革命をもたらし、次世代の先進ロボットシステムの実現に貢献します。」と述べています。

  今回構築した専用5Gネットワークは、日立アメリカ社とエリクソン社が北米での5Gソリューションを検証するテスト環境となります。また、お客さまに日立の顧客協創アプローチに参加していただき、デジタルトランスフォーメーションの加速を加速させる場でもあります。
5Gと日立のプラットフォーム技術の組み合わせは、さまざまな産業を変革する可能性を秘めています。

  日立は、Lumada×5Gを通じて革新的なソリューションを創生し続けることで、ビジネスインフラの進化を加速し、ビジネスの継続性とレジリエンスを向上させ、お客さまに価値を提供していきます。

*1 画像で使用されるロボットアームは研究目的で購入されたKinova社の「Kinova® Gen3」。
*2 TOF (Time of flight・飛行時間)センサ: 照射された光が反射してから戻ってくる時間を測定することにより、距離を測るセンサ

お問い合わせ先:株式会社日立製作所 研究開発グループ

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