2025-08-21 量子科学技術研究開発機構
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)は、フランスで建設中の国際熱核融合実験炉ITERにおいて、プラズマ加熱用の高出力マイクロ波源「ジャイロトロン」初号機の据付けを完了しました。ジャイロトロンはプラズマ生成と加熱を担うITER初の加熱装置であり、ITER計画を大きく前進させる主要マイルストーンとなります。本装置は出力100万ワットのマイクロ波を連続発生でき、電子レンジの約2,000倍の性能を持ちます。高精度な据付作業では、超伝導マグネットの磁気軸とジャイロトロンの位置を0.1ミリ精度で調整し、最適な運転条件を確保しました。QSTは1993年から開発を進め、2008年にはITER要求性能を満たすジャイロトロンを世界で初めて実現、2017年に性能試験を完了、2024年末には日本が調達する全8基の輸送を完了済みです。今回据付けた初号機は今秋より出力1MW、最長300秒の試験を予定しており、今後順次全47基が設置される計画です。

図1 ジャイロトロン(左)とジャイロトロン構成図(右)
<関連情報>


