中性子によって、驚異的な熱輸送の鍵が明らかになった(Neutrons reveal key to extraordinary heat transport)

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2023-02-23 オークリッジ国立研究所(ORNL)

◆オークリッジ国立研究所の科学者は、鉱物であるフレスノアイトの結晶を温めて、フェイゾンという励起が、通常物質を通して熱を運ぶ励起であるフォノンよりも3倍遠く、速く熱を運んでいることを発見しました。
◆「中性子はフェイゾンにもフォノンにも相互作用するので、このような熱輸送の原因を探るのに理想的でした」と、ラファエル・ヘルマン教授とともにこの研究を率いたマイケル・マンリー教授は述べています。
◆ほとんどの結晶では、原子の振動がフォノンとして格子を伝わって励起波を伝播する。しかし、ある種の結晶では、原子の再配列もフォノンとして励起波を伝搬させる。ファゾンは音よりも速く伝搬するため、熱の伝搬に優れていると予想された。
◆研究チームは、ORNLの核破砕中性子源でフェイゾンやフォノンの経路をマッピングしてその振動を評価し、材料科学技術部門の実験室で格子を介した熱の輸送を測定した。
◆「実験分解能を向上させることで、結晶中を熱輸送するフェイゾンを観測しました」と、ハーマン氏は述べました。
◆この結果は、エネルギー材料の熱輸送シミュレーションの精度を向上させるのに役立つだろう。

<関連情報>

フレズノアイトにおけるフェイゾン支配の熱伝導 Phason-Dominated Thermal Transport in Fresnoite

M. E. Manley, A. F. May, B. L. Winn, D. L. Abernathy, R. Sahul, and R. P. Hermann
Physical Review Letters  Published 14 December 2022
DOI:https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.129.255901

中性子によって、驚異的な熱輸送の鍵が明らかになった(Neutrons reveal key to extraordinary heat transport)

ABSTRACT

Fast-propagating waves in the phase of incommensurate structures, called phasons, have long been argued to enhance thermal transport. Although supersonic phason velocities have been observed, the lifetimes, from which mean free paths can be determined, have not been resolved. Using inelastic neutron scattering and thermal conductivity measurements, we establish that phasons in piezoelectric fresnoite make a major contribution to thermal conductivity by propagating with higher group velocities and longer mean free paths than phonons. The phason contribution to thermal conductivity is maximum near room temperature, where it is the single largest contributing degree of freedom.

1700応用理学一般
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