1702地球物理及び地球化学

気候と氷床のシミュレーションから示される退氷期の気候システムの変動 1702地球物理及び地球化学

気候と氷床のシミュレーションから示される退氷期の気候システムの変動

全球気候モデルを用いて過去2つの退氷期を比較する古気候実験を行い、北半球氷床の融解水の量が異なると観測された急激な気候変化の特徴が再現されることが分かりました。氷床の融解水が多いと、温暖化が大西洋深層循環を強めようとする働きを阻害するためで、過去2つの退氷期で海水準の上昇速度が異なることと整合する結果です。また北半球氷床の融解には地球の軌道要素の違いが関わることを北半球氷床モデルの古気候実験から示しました。氷期サイクルを駆動する地球軌道要素が北半球氷床を融解させて大西洋深層循環に作用することを通して、過去2つの退氷期の気候変化の違いの原因となることを示唆します。
北極海の海氷減少で雲の性質が変化 ~強風による波しぶきにより氷雲の割合が増加~ 1702地球物理及び地球化学

北極海の海氷減少で雲の性質が変化 ~強風による波しぶきにより氷雲の割合が増加~

海洋地球研究船「みらい」の北極海航海で取得した観測データの解析を行い、雲の相状態(水雲か氷雲か)が海上の風や波高で著しく変化することを明らかにしました。しぶきが多量に形成される強風時には、氷晶の核となりうる粒子が海から大気中に多量に供給され、雲の下層部分で氷晶の割合が多くなることが確認されました。
福徳岡ノ場の火山活動について(11月11日観測) 1702地球物理及び地球化学

福徳岡ノ場の火山活動について(11月11日観測)

福徳岡ノ場の11月1日の観測結果と比較し新島の台地はやや縮小しているものの、島の大きさに大きな変化は認められなかった。新島の北端から立ち上がる白色噴気を確認した。新島北側の海面で、円形の白い泡状の小規模な湧出を認めた。直径約3㎞の範囲に濃い黄緑色の変色水を認めた。南東約20㎞付近に直径約2㎞の黄緑色の変色水及び軽石と思われる浮遊物を認めた。福徳岡ノ場における海底火山活動は沈静化したとは言えず、熱活動も未だに活発な状態である。
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最終氷期の沖縄はどのくらい寒かったのか? 〜貝化石と鍾乳石による新しい地質考古学的手法からの復元〜 1702地球物理及び地球化学

最終氷期の沖縄はどのくらい寒かったのか? 〜貝化石と鍾乳石による新しい地質考古学的手法からの復元〜

洞穴遺跡から出土した貝化石と鍾乳洞の鍾乳石(石筍)を用いた新しい地質考古学的手法を構築した。その手法を使用し、最終氷期における沖縄の気温を季節レベルの高時間分解能で復元することに成功した。
令和3年10月の地殻変動 1702地球物理及び地球化学

令和3年10月の地殻変動

電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2021年9月下旬から2021年10月下旬までの1か月間の地殻変動概況は、東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。
巨大な海洋渦が暖かい海水を南極大陸方向へ運ぶ東南極トッテン氷河を下から融かす主要な熱源 1702地球物理及び地球化学

巨大な海洋渦が暖かい海水を南極大陸方向へ運ぶ東南極トッテン氷河を下から融かす主要な熱源

東南極で最大級の規模を有するトッテン氷河の周辺域では、近年、氷床質量の減少が報告され、また、将来の大規模な氷床流出も懸念されています。水産庁漁業調査船「開洋丸」および南極観測船「しらせ」により実施された大規模な海洋観測で取得した現場観測データと衛星観測データを統合的に解析し、トッテン氷河の沖合に定在する巨大な海洋渦が、比較的温度の高い海水を効率的に南極大陸方向へと輸送していることを明らかにしました。
令和3年10月20日11時43分の阿蘇山噴火に伴う地殻変動 1702地球物理及び地球化学

令和3年10月20日11時43分の阿蘇山噴火に伴う地殻変動

10月20日11時43分に発生した阿蘇山の中岳第一火口での噴火に伴う顕著な地殻変動は、検出されていません。令和3年(2021年)10月20日11時43分に発生した阿蘇山の中岳第一火口での噴火について、阿蘇山周辺の電子基準点で観測された10月25日8時59分までのデータを解析した結果、噴火前後でばらつきを超える顕著な地殻変動は検出されていません。
黒潮とメキシコ湾流の同期現象を発見~大気と海洋の相互影響によってもたらされる異常気象の解明に道~ 1702地球物理及び地球化学

黒潮とメキシコ湾流の同期現象を発見~大気と海洋の相互影響によってもたらされる異常気象の解明に道~

北半球最強の暖流である黒潮とメキシコ湾流は、大陸を隔てて約一万キロメートルも離れています。それにもかかわらず、二つの海流の変動にともなって、日本東方沖とアメリカ東海岸沖の海面水温が数年から十数年のスケールで同時に暖かくなったり冷たくなったりを繰り返す(=「同期」している)現象を発見しました。
阿蘇山の地殻変動(2021年10月26日発表) 1702地球物理及び地球化学

阿蘇山の地殻変動(2021年10月26日発表)

2021年10月13日に噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられた阿蘇山について、10月15日に観測された「だいち2号」の衛星SARデータによる解析を実施しました。
“マッデン・ジュリアン振動” の「引き金」を特定 1702地球物理及び地球化学

“マッデン・ジュリアン振動” の「引き金」を特定

熱帯域で巨大な積乱雲群として観測されるマッデン・ジュリアン振動 (MJO) が熱帯インド洋でどのように発生するかを解析などした結果、高度約10kmの上空を伝わる大気中の“波”(周期的な大気変動)の増幅がMJO発生の引き金であることを初めて突き止めました。
令和3年10月6日2時46分の岩手県沖の地震に伴う地殻変動 1702地球物理及び地球化学

令和3年10月6日2時46分の岩手県沖の地震に伴う地殻変動

令和3年(2021年)10月6日2時46分に岩手県沖で発生した地震について、震源域周辺の電子基準点で観測された10月10日8時59分までのデータを解析した結果、現時点では、ばらつきを超える有意な地殻変動は検出されていません。
2021 年 10 月7日千葉県北西部の地震の評価 1702地球物理及び地球化学

2021 年 10 月7日千葉県北西部の地震の評価

10 月7日 22 時 41 分に千葉県北西部の深さ約 75km でマグニチュード(M)5.9(暫定値)の地震が発生し、埼玉県及び東京都で最大震度5強を観測し被害を伴った。千葉県及び東京都では、長周期地震動階級2を観測した。この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した地震である。
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