2025-10-30 運輸安全委員会
 NPO羽生ソアリングクラブ ダイヤモンド・エアクラフトHK36Rスーパーディモナ(動力滑空機、複座)の事故[不時着による機体損傷](埼玉県羽生市 羽生滑空場、令和5年11月19日発生)](https://tiisys.com/wp-content/uploads/2025/10/スクリーンショット-2025-10-30-164553.png)
<関連情報>
- https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2374
- https://jtsb.mlit.go.jp/aircraft/rep-acci/AA2025-9-2-JA36HK.pdf
概要
同機は、令和5年11月19日(日)埼玉県羽生市内の羽生滑空場を離陸直後にエンジンの出力が低下したため、同滑空場脇の草地に不時着を試み、着陸時に機体を損傷した。
原因
(1) 本事故は、同機が離陸後、エンジンの出力が低下したため滑走路に戻ろうとして、不時着を試みた際、不時着直前に左翼端が滑走路脇の地面と接触し、機体が左旋転しながら接地したことにより、胴体尾部を折損したものと考えられる。同機が1回目の飛行でエンジンに異変があったにもかかわらず、地上でエンジン整備マニュアルに従った点検を行わずに上空でエンジンの作動状況を確認しようと再度離陸したことが起因したと考えられる。
(2) 同機のエンジンは、オリフィスが外されており、その状態においてフィルターに目詰まりが生じたため、燃料圧力が上がらず、離陸時に必要となる量の燃料が供給されなかったことにより、出力が低下したものと考えられる。フィルターの目詰まりについては、燃料供給ノズル先端の不織布や燃料缶内の腐食による可能性が考えられ、フィルターの点検等を行わなかったため目詰まりが解消されなかったと推定される。
(3) なお、同機の燃料圧力警告灯は、燃料圧力センサーが取り外されていたことにより作動しない状態であったことから、機長は燃料圧力の低下を把握することができなかったものと推定される。

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