2025-10-22 フィンランド技術研究センター(VTT)
フィンランドの研究機関VTTは、クラシック式ローラースキーに垂直および縦方向の力を計測できるセンサーを内蔵した新型スキーを開発した。従来のスケート式モデルの技術を発展させ、実験室内のスキートレッドミル上で滑走者がスキーに加える推進力と荷重を高精度に測定できる。ひずみゲージ方式のセンサーを採用し、スキーフレームとアクスルの微小な変形を通じて力を検知する構造で、垂直力はアクスルのせん断力から、縦方向力は前アクスルのモーメントから算出される。素材には航空機グレードのアルミニウムや高強度鋼を用い、軽量性と市販スキーに近い操作感を両立。試作機は重量20%増にとどまり、性能にほぼ影響を与えないことが確認された。最大1000Nの垂直力と16Nmのモーメントに対応し、チャネル間干渉は1%未満と高精度。開発はユヴァスキュラ大学が主導するERDF資金プロジェクトの一環で、2025年からのCEMIS-SPORT計画へ継続している。クラシック走法の力学解析やトレーニング研究に新たな計測手段を提供する技術である。


<関連情報>


