令和6年8月の地殻変動

ad

2024-09-09 国土地理院

全国の地殻変動概況

国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2024年7月下旬から2024年8月下旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙1~7のとおりです。
東北地方を中心に平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。能登半島及びその周辺地域では1月1日に発生した令和6年能登半島地震後の余効変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

令和6年8月の地殻変動

トピックス
  • 8月8日に発生した日向灘の地震(M7.1、最大震度6弱)では、GNSS観測によると、電子基準点「宮崎」において、7cm程度の沈降及び東南東方向に13cmを超える変動が見られるなど、震源域周辺で地殻変動が観測されました。だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、震源域西側からの観測では、震源に近い地域に衛星から遠ざかる変動が見られます。(別紙8-1)また、GNSS観測で得られた地殻変動をもとに、震源断層モデルを推定しました。(別紙8-2)地震発生後は、宮崎県南部を中心に、地震後の余効変動と考えられる地殻変動を観測しています。(別紙8-3)
  • 能登半島及びその周辺では、1月1日に発生した令和6年能登半島地震(M7.6、最大震度7)後の余効変動と考えられる地殻変動が見られます。(別紙9)
  • 静岡県西部から愛知県東部では、2022年初頭からそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この変動は、東海周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙10)
  • 四国中部で、2019年春頃から観測されているそれまでの傾向とは異なる地殻変動は、2023年秋頃から一時的に鈍化していましたが、最近は継続しているように見えます。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙11)
  • 浅間山では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙12)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」では南向きの変動が継続しています。(別紙13)
  • 西之島では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、火砕丘に見られる変動以外に特段の変化は見られません。(別紙14)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「鹿児島福山」等の基線で2023年9月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年12月頃から停滞しています。(別紙15)
  • 薩摩硫黄島では、「鹿児島三島」で2023年10月頃から見られていた西向きのわずかな変動は、2024年5月頃から停滞しています。(別紙16)
  • 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙17)
  • 諏訪之瀬島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙18)
補足説明
  • 全国の1年間(2023年8月下旬から2024年8月下旬まで)の地殻変動からは、以下のような傾向が見られます。(別紙19)
    ・東北地方を中心とした広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    ・硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    ・能登半島及びその周辺では、1月1日に発生した令和6年能登半島地震に伴う地殻変動が見られます。
    ・その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
出典

本資料を利用する際は、国土地理院コンテンツ利用規約に従ってご利用ください。
なお、利用にあたっては、出典の記載をお願いします。
(出典記載例) 「出典:国土地理院」

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
(電子基準点等による地殻変動に関すること)
測地観測センター  地殻監視課長 宮本 純一

(だいち2号観測データの解析結果に関すること)
測地部  宇宙測地課長  栗原 忍

(GNSSデータから推定されたすべり分布及び震源断層モデルに関すること)
地理地殻活動研究センター  地殻変動研究室長  宗包 浩志

1702地球物理及び地球化学
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました