第6世代移動通信システムの研究開発に資するサブテラヘルツ帯電波伝搬シミュレータを開発

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2024-05-15 京都大学

原田博司 情報学研究科教授、香田優介 同助教、大見則親 同研究員らの研究グループは、サブテラヘルツ帯を用いた無線通信の実現に向け、その伝送特性評価を計算機上で簡易に実行するための電波伝搬シミュレータ(KUCG:Kyoto University Channel Generator)を開発しました。サブテラヘルツ帯はおよそ100 GHz付近から300 GHzにわたる周波数であり、第5世代移動通信システム(5G)で使用されているサブ6帯、ミリ波帯に追加して多くの周波数帯域を確保できることから、将来的な周波数帯域の逼迫を抜本的に解決する手段として、その利用が期待されています。本開発シミュレータKUCGは、同研究グループで行われたサブテラヘルツ帯電波伝搬測定試験と統計的に矛盾しない電波伝搬特性のサンプルを、計算機の上に繰り返し数値生成します。これにより、サブテラヘルツ帯での電波伝搬試験や実証試験を現実空間で実際に行わなくても、誰もが計算機上で各種無線システムの伝送特性評価を行うことが可能になりました。本成果により、サブテラヘルツ波を用いた無線伝送方式の研究開発がさらに加速されることが期待できます。なお、今回開発されたシミュレータの評価版は、2024年5月15日に、オンライン上に一般公開されました。

第6世代移動通信システムの研究開発に資するサブテラヘルツ帯電波伝搬シミュレータを開発
開発したサブテラヘルツ帯電波伝搬シミュレータ

研究者のコメント

「今後無線通信システムが社会インフラとして浸透していく将来、利用可能な周波数帯域が逼迫する恐れがあり、6Gではさらなる周波数帯域の開拓が必要であるとされています。サブテラヘルツ帯は広い帯域幅を使用可能な上、競合する無線システムも少ないことから、非常に魅力的な帯域です。その反面、サブテラヘルツ波はこれまで使用されてきた周波数帯域にある電波と特性が異なるので、誰かがその特性を調べ、モデル化・シミュレータ開発を行わなければ、その後の無線通信システム設計を正しく行えません。本開発シミュレータKUCGにより、より多くの無線通信設計者がサブテラヘルツ波を用いる無線通信設計に挑戦し、より一層研究開発が活発化することを願っています。」(香田優介)

詳しい研究内容について

第6世代移動通信システムの研究開発に資するサブテラヘルツ帯電波伝搬シミュレータを開発

研究者情報

研究者名:原田 博司
研究者名:香田 優介

0404情報通信
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