令和5年6月の地殻変動

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2023-07-10 国土地理院

全国の地殻変動概況

国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2023年5月下旬から2023年6月下旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙1~7のとおりです。東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。

トピックス
  • 石川県能登地方では、2020年12月頃からこの地域の地震活動とほぼ同期して地殻変動が観測されていました。2023年5月5日に発生した地震(M6.5、最大震度6強)以降は、「M珠洲笹波」で南西方向のわずかな変動及び沈降が見られるなどの地殻変動が観測されています。(別紙8)
  • 四国中部では、2019年春頃からそれまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されています。この変動は、四国中部周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙9)
  • 九州南部では、2023年初頭から観測されているそれまでの傾向とは異なる地殻変動は、最近は鈍化しているように見えます。この変動は、日向灘南部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。(別紙10)
  • 浅間山では、「東部」―「S浅間山1」等の基線で2023年3月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年6月頃から停滞しています。(別紙11)
  • 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」で隆起が、「硫黄島2」で南向きの変動が継続しています。(別紙12)
  • 西之島では、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、火砕丘にみられる変動以外に特段の変化はみられません。(別紙13)
  • 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む「鹿児島郡山」-「鹿児島福山」等の基線で2023年1月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年5月頃から停滞しています。桜島島内の「桜島」-「鹿児島2」等の基線で2023年1月頃から見られていたわずかな伸びは、2023年4月頃から停滞しています。(別紙14)
  • 薩摩硫黄島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙15)
  • 口永良部島では、GNSS観測によると、顕著な地殻変動は観測されていません。なお、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、古岳の火口周辺数百mの範囲で衛星に近づく変動が見られます。(別紙16)
  • 諏訪之瀬島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙17)
期間外
  • 5月26日に発生した千葉県東方沖の地震活動(M6.2、最大震度5弱)では、精査の結果、「銚子」で北東方向にごくわずかな変動が見られたほか、房総半島を中心に地殻変動が観測されました。(別紙18)
補足説明
  • 全国の1年間(2022年6月下旬から2023年6月下旬まで)の地殻変動からは、以下のような傾向が見られます。(別紙19)
    ・東北地方を中心とした広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
    ・硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
    ・その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
出典

本資料を利用する際は、国土地理院コンテンツ利用規約に従ってご利用ください。 なお、利用にあたっては、出典の記載をお願いします。 (出典記載例) 「出典:国土地理院」

問い合わせ先

国土交通省国土地理院
(電子基準点等による地殻変動に関すること)
測地観測センター 地殻監視課長 芝 公成
地理地殻活動研究センター  地理地殻活動総括研究官 矢来 博司

(だいち2号観測データの干渉解析による地殻変動に関すること)
測地部 宇宙測地課長 小門 研亮

1702地球物理及び地球化学
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