ドローンによる紫外線（UV）除菌の有効性を確認～新たなUV活用ソリューションの開発に向け、今治市公会堂で実証実験を実施、座席表面の除菌効果を確認～

2023-04-28

2023-04-27 東芝ライテック株式会社

東芝ライテック株式会社（本社：神奈川県、取締役社長平岡敏行）は、紫外線（UV）照射器を搭載したドローン（以下、UV搭載ドローン）を用いた実証実験を2023年3月16日に今治市公会堂において実施しました。

当社は、長年培ったUV技術を応用したUVライティング事業として、表面除菌や空気除菌、水処理など様々な分野で製品を展開しており、現在、本事業領域の拡大を視野に、新たな用途開発を進めています。本実証実験は、今治市近未来技術実証ワンストップセンター（事務局：今治市市民が真ん中課）、DRONE PILOT AGENCY株式会社（本社：東京都、代表取締役上野豪）の協力の元、UV搭載ドローンによる除菌サービスの実現可能性を検証するため実施したものです。本実験では、ドローンによるUV照射飛行によって、座席表面に対する除菌の有効性を確認しました。

今後は、本実証実験で挙がった課題解決に向けて、共創パートナーの輪を拡げながらサービス化検証を進めます。また、今回の取り組みに限らず、当社がもつUV技術の応用により、市場ニーズに合わせた価値あるソリューションの提供に努めてまいります。

劇場内を飛行するUV搭載ドローン（今治市公会堂）

（拡大図）

背景・目的

新型コロナウイルス感染症の拡大により、人々の衛生意識は大きく変化し、不特定多数の人が触れる場所の除菌・消毒が当たり前になりました。多くの施設では人による消毒作業が行われ、特に劇場やスタジアムなど大勢の人々を収容する施設では、除菌のための時間やコストがかかること、人手による作業ではムラがあること、更には人材確保など課題を抱えています。それらの課題に対し、当社がもつ除菌可能なUV技術と、近年、急成長するドローン技術を組み合わせることで、除菌作業の省人化の実現を目指します。本検証は、実現化に向けた取り組みの第一歩として、実際の劇場におけるUV搭載ドローンを活用した除菌効果の実証実験となります。

実証実験概要

日時：2023年3月16日
場所：今治市公会堂大ホール（愛媛県）

結果

UV照射をした場合、座席表面の菌を平均67％（51～85%）除菌できることを確認しました－　本実験では枯草菌を使用。新型コロナウイルスの場合、99%以上が抑制される見込みです注1。UV照射による除菌効果（一例）注2

＜UV照射なし＞

＜UV照射あり＞

注1 　枯草菌と新型コロナウイルスの抑制に必要なUV照射量から換算。
注2 　試験後に培養したシャーレの様子です。写真内の白い点が枯草菌のコロニー（集合）です。
本実験では、1席あたり21秒でUV搭載ドローンによる除菌作業が完了しました－　人手による消毒作業が1席あたり推定30秒程度であり、作業時間短縮が可能であることがわかりました。しかしながら、実環境では複数人での作業が行われており、さらなる時間短縮やサービス運用方法などが課題として挙がりました。

今治市近未来技術実証ワンストップセンターについて

今治市近未来技術実証ワンストップセンターは、先端技術を活用した社会課題の解決等を促進するため、「自動運転」「ドローン」「AI・IoT」分野の実証実験について、国家戦略特区を活用して、ワンストップ支援するために今治市と国（内閣府、警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省）が共同で設置したものです。

今治市近未来技術実証ワンストップセンター | 市民が真ん中課 | 今治市

DRONE PILOT AGENCY株式会社について

DRONE PILOT AGENCY株式会社は、ドローンを活用したソリューションを提供する企業です。画像解析技術（AI）とドローンを組み合わせた検査や診断、分布のマップ化やドローンを活用した測量やマーケティング等をパイロットと共に提供しています。本実証実験では、主にドローンに関するコンサルティングと飛行操縦を担当いただきました。