マグノンの運ぶスピンと熱の流れに現れる流体力学的な兆候を予言~マグノン流体実現およびスピンカロリトロニクス応用へ期待~

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2023-04-25 京都大学

佐野涼太郎 理学研究科博士課程学生(日本学術振興会特別研究員)および松尾衛 中国科学院大学准教授らの研究グループは、磁性体中のマグノンが流体力学的に振る舞う場合に、マグノンが運ぶスピンと熱の流れの比が従来のものから大きく外れることを理論的に予言しました。

近年、次世代コンピューティングや情報処理技術の新たな候補として、従来のデバイスで利用される電子に代わり、磁性体中のマグノンが情報媒体として検討されつつあります。特に最近実現できるようになった純良な磁性体ではその輸送特性が大きく変わり、流体力学的な兆候が表れることが予想されています。ところが、そのようなマグノン流体の実験的実証に関する研究はほとんどなされてきませんでした。そこで本研究では、マグノンが運ぶスピンと熱の流れの緩和プロセスの違いに着目することにより、マグノン流体検出への重要な指針を与えることに成功しました。さらに本研究成果により、スピンと熱の絡み合いを調べる研究分野であるスピンカロリトロニクスが大きく前進することが期待されます。

本研究成果は、2023年4月21日に、国際学術誌「Physical Review Letters」にオンライン掲載されました。

マグノンの運ぶスピンと熱の流れに現れる流体力学的な兆候を予言~マグノン流体実現およびスピンカロリトロニクス応用へ期待~

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1700応用理学一般
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