2025-12-18 NASA
NASAの宇宙望遠鏡SPHERExは、これまでにない手法で全天を観測し、初の包括的な宇宙マップの作成を完了した。SPHERExは赤外線領域で空全体を102波長帯に分けて観測する分光サーベイを行い、数億個の銀河や恒星、星間物質の分布を三次元的に描き出すことを目的としている。本成果により、宇宙初期の急激な膨張(インフレーション)の痕跡や、銀河進化の歴史、銀河間空間に存在する水や有機分子の分布解明が可能となる。今回完成したマップは、従来の天文観測とは異なり「色(波長)」情報を重視した新しい宇宙の見方を提供し、今後2年間にわたる継続観測によって、宇宙論と天体物理学の基盤データとして幅広く活用される見通しである。


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