核融合プラズマの遠隔リアルタイム予測制御を実証～1,000 km離れたスーパーコンピュータにデジタルツインを実現～

自然科学研究機構核融合科学研究所、量子科学技術研究開発機構、京都大学、統計数理研究所などの研究グループは、世界で初めて約1,000km離れたスーパーコンピュータ上に構築したデジタルツインを用い、核融合プラズマの遠隔リアルタイム予測制御を実証した。大型ヘリカル装置（LHD）で得られる観測データを、高速学術ネットワークSINET6を介して遠隔地のスーパーコンピュータ「プラズマシミュレータ」に送信し、データ同化に基づく大規模並列計算でプラズマ状態を高速予測、その結果を即座に制御指令として実機へ返送する制御サイクルを確立した。これにより、電子温度・密度といった複数物理量を同時に目標値へ導く多変数リアルタイム制御に成功した。本成果は、将来の核融合炉に不可欠な高度予測制御技術の実証であるとともに、遠隔地スパコンを活用したリアルタイム制御という新たな研究・運用基盤を示している。