2024-11-08 国土技術政策総合研究所
国総研資料 第 1295 号
【概 要】
ブルーカーボン生態系として藻場拡大のニーズは社会的に高まっており, 全国において様々な藻場の生育基盤の工夫に関する検討が実施されている. ところがそれらの検討結果は総合的に整理されていないため,ある水域で検討された結果を 環境が異なる他の水域へ適用できるか判っていない.そこで著者らの一連の研究では, 全国で実施された藻場の生育基盤の工夫に関する検討結果を収集し,種々の環境条件下での 藻場の生育基盤の工夫の適用性を示すことを目的とする.昨年度取り纏めた国総研 資料 No.1257 では,主に国土交通省が実施した事例について整理し,海藻種や環境条件を適切に考慮 して生育基盤の工夫を選択することが重要であることを示した.しかし,海藻の着生・成長を促す生 育基盤の工夫の適用範囲を示すには,データ数が不十分であった.そこで本検討では,地方自治体等 が実施した検討結果を加えて,データを395 事例に拡充した.その結果,本検討では,環境条件とし て波浪条件に着目し,適用水域を港内,閉鎖性内湾に位置する港の港外(港外(閉鎖性)),外海に面 した港の港外(港外(外洋))に区分して,海藻種毎の生育基盤の種々の工夫がどの様な環境条件下で 効果が期待できるかを示した.
【担当研究室】
海洋環境・危機管理研究室
【執 筆 者】
岡田知也・玉上和範・秋山吉寛・内藤了二
研究資料全文
全 文892KB
目 次
1. はじめに
2. 方法
2.1 データ収集
2.2 海藻の着生・成長を促す生育基盤の工夫の区分
2.3 効果の定量化
2.4 環境指標
3. 結果
3.1 報告書データの概要
3.2 海藻の着生・成長を促す生育基盤の工夫の効果
4. おわりに
謝 辞
参考文献
付録A 解析に用いた報告書