理化学研究所

1602ソフトウェア工学

AIで深まる音楽体験~既存アプリにコンテンツを追加・三つのアプリを新規公開~

2021年から公開している音楽アプリ「サウンドスコープフォン」に、野鳥の声の聴き分けが楽しめる機能を追加し、他に三つの無料音楽アプリを新しく公開しました。「サウンドスコープパッド」「ミュージックスコープパッド」では、AIで利用者のポーズを認識し、仮想現実(VR)空間での音楽鑑賞や映像探索を楽しめます。また、「メロディスロットマシンHD」では、スロットゲームを楽しみながらさまざまなメロディを作ることができます。
1701物理及び化学

電荷が反対の粒子間に斥力が働く状況を実現~量子アルゴリズムの新たな応用~

シュウィンガー模型と呼ばれる1次元量子系において、電荷が反対の粒子間に斥力が働く状況を、数値シミュレーションにより実現することに成功しました。これは量子計算機で用いられるアルゴリズム(量子アルゴリズム)の新たな応用であり、通常の方法では解析が困難だった初期宇宙の時間発展屋、有限密度領域における初期宇宙の相構造などの重要な問題の理解に貢献していくことが期待されます。
0109ロボット

ヒトの運動を支援するロボット~動作意図推定に基づく装着型アシストロボット制御を実現~

膝関節に着ける軽量の「装着型アシストロボット」を開発し、装着者の動作意図を推定することで適切な運動を支援する手法を提案しました。ロボットを活用した支援技術として、超高齢社会に貢献するものと期待できます。カーボン樹脂でできたフレームに空気圧人工筋アクチュエーターを内蔵しました。制御手法として、装着者から計測される筋活動と関節運動の情報に基づき、装着者の意図した動作に合わせた適切な制御則により駆動させるアルゴリズムを開発しました。部分的にラベル付けされた情報から装着者の動作意図を精度よく判別する「機械学習技術」と、制御目的を達成するための制御入力をヒトの身体特性を考慮した評価関数に基づいて計算する「最適制御技術」を組み合わせることで実現しました。
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0501セラミックス及び無機化学製品

酸性環境で駆動する非貴金属水電解触媒~固体高分子型(PEM)水電解を用いた水素製造へ~

水の電気分解の効率化に向け、酸性環境で駆動する非貴金属材料としては世界最高の活性と安定性を兼ね備えた触媒「Co2MnO4」の開発に成功しました。水の電気分解による水素製造の脱貴金属化を促進し、環境親和性のさらなる向上につながると期待できます。コバルトとマンガンの2種類の元素を組み合わせることで、活性と安定性を兼ね備えた触媒開発に成功しました。開発したCo2MnO4触媒は、強酸性環境においても200mA/cm2の電流密度で1,000時間以上機能します。また、既存の非貴金属触媒と比較し、おおよそ100倍程度の量の水を電気分解できます。
0502有機化学製品

ルーフ配位子で位置選択的合成に成功~遠隔位立体制御によるメタ位選択的ホウ素化反応~

新たに設計した「ルーフ配位子」を持つイリジウム触媒を用いて、芳香族炭化水素の選択的な官能基化反応の開発に成功しました。医農薬品や機能性分子の選択的かつ効率的な合成手法の開発に貢献すると期待できます。
0109ロボット

ヒトのように表情をつくれるアンドロイドを開発~ヒトと機械をつなぐ感情コミュニケーションに期待~

ヒトのように表情をつくれるアンドロイド(ヒト型ロボット)を開発し、その妥当性を心理実験で実証しました。アンドロイドが表情を通してヒトと感情的なコミュニケーションをとることを可能にし、介護現場などにおけるアンドロイドの活用といった社会応用につながると期待できます。これまで、ヒトの表情筋の動きを精緻に再現し、その妥当性を心理実験で厳密に検証した例はありませんでした。
0500化学一般

計算機上で収集したデータの機械学習による不斉触媒設計~有機合成DX化の基盤技術構築に向けて~

遷移状態計算と機械学習を併用して、「エナンチオ選択性」が向上する不斉触媒を計算機上で設計することに成功しました。
0501セラミックス及び無機化学製品

金属硫化物を用いた二酸化炭素還元電極触媒の設計指針を提示

金属硫化物は、二酸化炭素還元におけるスケーリング則を打破しうる触媒材料として期待されている。その設計の指針を得るため、金属硫化物を用いた二酸化炭素還元で活性を決める物性を解明すべく、還元活性度と金属硫化物の結晶構造的パラメータおよび電子的パラメータとの重回帰分析を実施。一酸化炭素生成においては金属硫化物の結合長などの構造的な要因が、ギ酸生成においては金属の電気陰性度などの電子的な要因が活性を決めていることを解明した。
1701物理及び化学

二次元ディラック電子の量子異常を実証~トポロジカル絶縁体表面での半整数量子ホール効果を観測~

トポロジカル絶縁体と磁性トポロジカル絶縁体の積層薄膜において、半整数(1/2)に量子化されたホール伝導度を観測しました。トポロジカル絶縁体表面に存在する単一の二次元ディラック電子に関する量子異常を反映したもので、今後、単一ディラック電子を利用したさらなる基礎物理研究の展開が期待できます。
0501セラミックス及び無機化学製品

磁気異方性制御によるアンチスキルミオンの安定化に成功~トポロジカル磁気構造の安定化機構を解明~

金属磁性体の磁気異方性を制御することで、アンチスキルミオンと呼ばれる磁気渦構造が安定化する条件を見いだしました。アンチスキルミオンの発現機構の解明につながり、さまざまな磁気デバイスへの応用研究に貢献すると期待できます。(Fe,Ni)3Pという金属磁性体に4d遷移金属をドープすることで、磁気異方性が劇的に変化し、室温で安定なアンチスキルミオンが形成されることを発見しました。さらに、アンチスキルミオンの安定化には、容易軸型の磁気異方性エネルギーと静磁エネルギーの適切なバランスが重要であることを実証しました。
0403電子応用

シリコン量子ビットで高精度なユニバーサル操作を実現~誤り耐性シリコン量子コンピュータの実現に指針~

シリコン量子ドットデバイス中の電子スピンを用いて、高精度なユニバーサル操作を実証しました。シリコン量子ドットを用いた量子コンピュータの実現における課題の一つである「量子誤り訂正」の実行に指針を与えるもので、今後の研究開発を加速させるものと期待できます。
1701物理及び化学

カゴメ格子に由来する磁気熱電効果の増大機構の発見~高機能磁気熱電変換材料の新たな物質設計指針へ~

鉄を主とするカゴメ格子強磁性体Fe3Snにおいて巨大な磁気熱電効果(=異常ネルンスト効果)が発現することを発見しました。加えて、第一原理計算を用いたコンピュータシミュレーションによる電子状態の解析の結果、ノーダルプレーンと呼ばれる特殊な電子状態が、カゴメ格子強磁性体Fe3Snにおける巨大な磁気熱電効果の起源となっていることが明らかとなりました。
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