京都大学

超分子組織化を利用した自在な分子配向制御の新たな選択肢~ポルフィリンの中心金属が薄膜構造を決める~ 0500化学一般

超分子組織化を利用した自在な分子配向制御の新たな選択肢~ポルフィリンの中心金属が薄膜構造を決める~

テトラピリジルポルフィリンが分子間で形成する配位結合を利用することで、この類縁化合物では珍しい垂直配向を実現しました。この成果は配位結合を分子配向制御に用いた初めての例であり、有機半導体だけでな、有機金属構造体(MOF)に代表される超分子材料の分子配向の自在制御にもつながると期待されます。
プラスチック太陽電池の発電機構を解明~オフセットが小さくても光電変換効率が高い理由を分析~ 0401発送配変電

プラスチック太陽電池の発電機構を解明~オフセットが小さくても光電変換効率が高い理由を分析~

半導体ポリマーと非フラーレン型電子アクセプター(NFA)を用いた有機薄膜太陽電池(OSC)の発電メカニズムを明らかにしました。NFAを用いたOSCの光電変換機構は従来系とは異なり、半導体ポリマーとNFAとの相分離界面近傍に形成されるエネルギー準位勾配を駆動力として光電変換していることを明らかにしました。
結合した2種高分子間の「つなぎ目」が鍵~半導体の微細加工に貢献する新しい高分子設計~ 1700応用理学一般

結合した2種高分子間の「つなぎ目」が鍵~半導体の微細加工に貢献する新しい高分子設計~

次世代半導体微細加工材料として注目されているポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)によるブロック共重合体であるPS-block-PMMAのつなぎ目にオリゴペプチドを精密に導入することで、PS-block-PMMAの相分離下限分子量よりも低い分子量で長周期のラメラ構造の形成に成功しました。
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貴金属8元素合金の合成に成功~多元素の混合で新しい原子が生まれる~ 0501セラミックス及び無機化学製品

貴金属8元素合金の合成に成功~多元素の混合で新しい原子が生まれる~

貴金属と呼ばれる全ての元素(金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os))を原子レベルで均一に混ぜ合わせたナノメートルサイズの合金(ナノ合金)の開発に世界で初めて成功しました。
高強度アルミニウム合金の破壊防止法を確立 ~そのさらなる高性能化、軽量化の実現に道~ 0703金属材料

高強度アルミニウム合金の破壊防止法を確立 ~そのさらなる高性能化、軽量化の実現に道~

大型放射光施設SPring-8でのX線CTを利用した4D観察を活用し、高強度アルミニウム合金にある種の粒子を生成させることで、水素脆化を有効に防止できることを見出しました。
縺(もつ)れ結晶に起因した「超伝導反強磁性」状態を発見 1701物理及び化学

縺(もつ)れ結晶に起因した「超伝導反強磁性」状態を発見

局所的に空間反転対称性が破れた結晶に起因した超伝導相内部で実現する特殊な反強磁性状態を発見しました。
磁性絶縁体内部で現れるマヨラナ粒子の性質を解明 ~磁場の方向によって粒子数を制御可能~ 1701物理及び化学

磁性絶縁体内部で現れるマヨラナ粒子の性質を解明 ~磁場の方向によって粒子数を制御可能~

蜂の巣格子を持つ磁性絶縁体a-RuCl3 (塩化ルテニウム)の試料端(エッジ)においてマヨラナ粒子が存在することは報告されていましたが、試料内部(バルク)の状態は不明でした。磁場中比熱の精密測定により、試料内部でマヨラナ粒子が存在し、その現れやすさが蜂の巣格子面内での磁場方向に強く依存することが明らかとなりました。試料内部のマヨラナ粒子が、環境ノイズに強いトポロジカル量子コンピューターを可能にする「非可換エニオン」の元となる、というキタエフ模型の理論の基礎特性を裏付ける結果であり、非可換エニオンの理解が進展することが期待されます。
遷移金属酸化物の近藤効果を初めて実証~電子相関物性の設計・探索の新たなプラットホームを開拓~ 0500化学一般

遷移金属酸化物の近藤効果を初めて実証~電子相関物性の設計・探索の新たなプラットホームを開拓~

銅(Cu)とルテニウム(Ru)からなる酸化物(CaCu3Ru4O12)のX線光電子分光を測定し、独自に開発した計算パッケージを用いて、高精度な理論解析を行いました。CaCu3Ru4O12では、遷移金属の酸化物ではほとんど報告例がない近藤効果が実現していることを初めて実証しました
布田川断層での200 mを超える落差の発見~火山活動と関係した断層運動の”縦ずれ”から”横ずれ”への変化~ 1702地球物理及び地球化学

布田川断層での200 mを超える落差の発見~火山活動と関係した断層運動の”縦ずれ”から”横ずれ”への変化~

2016年熊本地震本震を引き起こした布田川断層に沿って、現在のほぼ水平にずれる断層運動と異なり、縦にずれる断層運動を示す鉛直落差が200 mにも及んでいることを発見し、最後の阿蘇火山カルデラ噴火(約9万年前)後に布田川断層の運動方式が、縦ずれ卓越から横ずれ卓越へ変化したことを破砕帯の地質学的観察と物理特性の解析から明らかにしました。
ピンと張られた分子鎖を定量する「羽ばたき型蛍光Force Probe」の開発 0505化学装置及び設備

ピンと張られた分子鎖を定量する「羽ばたき型蛍光Force Probe」の開発

約100 pNという微小な力に応答して蛍光色を変化させる分子として、羽ばたき型の蛍光Force Probeを開発しました。これは、亀裂などの破壊が起こる前に、高分子材料の中でどのくらいの比率の分子鎖がピンと張られているかを知る上で最適な新しいタイプの蛍光Force Probeです。
磁石の中で自然と現れる「止まった波」~超放射相転移が起こる磁石を発見~ 1701物理及び化学

磁石の中で自然と現れる「止まった波」~超放射相転移が起こる磁石を発見~

エルビウムオルソフェライト(ErFeO3)と呼ばれる磁性体の実験データから理論モデルを構築し、約4ケルビン(マイナス269度)で起こる相転移が、磁気的な波が止まった形で自然と現れる超放射相転移であることを見いだしました。この磁気的な波は、超放射相転移が起こった際に、特殊な量子論的な状態となることが知られています。今後、量子センシングや量子コンピューティングなどの量子技術への応用が期待されます。
南極からの海洋深層水が「国産コバルト資源」を生み出した~南鳥島周辺に広大なマンガンノジュール密集域が形成された原因を特定~ 1702地球物理及び地球化学

南極からの海洋深層水が「国産コバルト資源」を生み出した~南鳥島周辺に広大なマンガンノジュール密集域が形成された原因を特定~

南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内の広範囲に分布するマンガンノジュールが、海洋深層の海流の流入をきっかけに断続的に形成を開始し、広大な密集域へと成長していったことを明らかにしました。X線CT装置(CT)と微小領域蛍光X線分析装置(µXRF)を用いた分析によって、ノジュール内部の微細な三次元層構造を詳細に解析し、成長履歴を解読しました。
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