1701物理及び化学

カゴメ格子に由来する磁気熱電効果の増大機構の発見~高機能磁気熱電変換材料の新たな物質設計指針へ~ 1701物理及び化学

カゴメ格子に由来する磁気熱電効果の増大機構の発見~高機能磁気熱電変換材料の新たな物質設計指針へ~

鉄を主とするカゴメ格子強磁性体Fe3Snにおいて巨大な磁気熱電効果(=異常ネルンスト効果)が発現することを発見しました。加えて、第一原理計算を用いたコンピュータシミュレーションによる電子状態の解析の結果、ノーダルプレーンと呼ばれる特殊な電子状態が、カゴメ格子強磁性体Fe3Snにおける巨大な磁気熱電効果の起源となっていることが明らかとなりました。
固体中電子の電磁応答の統一~分子性固体における大きな反磁性と電気伝導の量子化~ 1701物理及び化学

固体中電子の電磁応答の統一~分子性固体における大きな反磁性と電気伝導の量子化~

「ディラック電子系」と呼ばれる物質の磁化率と電気伝導度の間のスケーリング則(比例関係)を発見し、この電磁応答の統一が特殊相対性理論における「時間と空間の対称性」に対応していることを見いだしました。グラフェンやトポロジカル絶縁体など、次世代デバイスの候補材料における電磁応答の理解の基盤になると期待できます。
惑星誕生のゆりかごを揺らす飛来天体 1701物理及び化学

惑星誕生のゆりかごを揺らす飛来天体

すばる望遠などを用いた多波長観測により、若い星系に飛来した天体が原始惑星系円盤を乱す様子が明らかにされました。星系への「侵入者」が原始惑星系円盤に作用する様子を包括的に調べた観測は本研究が初めてです。
ad
熱い抱擁を遂げた双子星の末路を解明 1701物理及び化学

熱い抱擁を遂げた双子星の末路を解明

今回観測した、水蒸気分子が放つ強力なメーザー(レーザーの電波版)が観測される双極高速ガス流を伴う「宇宙の噴水」天体のほとんどが、星の質量の半分にも達する大量の物質をこの一瞬の間に星の外へ吐き出していることを突き止めました。これら物質の量を見積もるために、分厚い共通外層の中までも見通すことができる電波の輝線(炭素・酸素原子の微量同位体を含む一酸化炭素分子が放つ電波)を観測しました。これらの輝線は、アルマ望遠鏡の驚異的な感度によって「宇宙の噴水」天体で今回初めて検出されました。これら輝線の強さから、「宇宙の噴水」天体を成す星は、もともとは太陽程度、大きくてもその2~3 倍の質量しか持たない星であることが分かりました
磁石の中で自然と現れる「止まった波」~超放射相転移が起こる磁石を発見~ 1701物理及び化学

磁石の中で自然と現れる「止まった波」~超放射相転移が起こる磁石を発見~

エルビウムオルソフェライト(ErFeO3)と呼ばれる磁性体の実験データから理論モデルを構築し、約4ケルビン(マイナス269度)で起こる相転移が、磁気的な波が止まった形で自然と現れる超放射相転移であることを見いだしました。この磁気的な波は、超放射相転移が起こった際に、特殊な量子論的な状態となることが知られています。今後、量子センシングや量子コンピューティングなどの量子技術への応用が期待されます。
反物質と太陽の重力相互作用~1兆分の16の精度を持った時計と反時計の比較~ 1701物理及び化学

反物質と太陽の重力相互作用~1兆分の16の精度を持った時計と反時計の比較~

陽子と反陽子の質量電荷比(質量/電荷)をそれぞれ測定し、1兆分の16という超々高精度で両者が一致していること、さらにアインシュタインの「弱い等価原理」が3%の精度で成立していることを明らかにしました。
量子もつれに劇的な変化をもたらす新たな条件の発見~量子測定と量子もつれに新たな知見~ 1701物理及び化学

量子もつれに劇的な変化をもたらす新たな条件の発見~量子測定と量子もつれに新たな知見~

量子もつれと量子測定の強さの競合によって生じる量子測定誘起相転移が発現するための新たな条件を発見しました。
塩の結晶の角が分数電荷を持つことを理論的に解明~身近な結晶に潜むトポロジカルな性質の発見~ 1701物理及び化学

塩の結晶の角が分数電荷を持つことを理論的に解明~身近な結晶に潜むトポロジカルな性質の発見~

塩化ナトリウムの結晶の角に電気素量の1/8の大きさの電荷が分布することを理論的に解明しました。最も単純で身近なイオン結晶の一つである塩化ナトリウムの結晶の、これまで知られていなかった電気的性質を発見しました。塩化ナトリウムに限らず他のイオン結晶も同様に、角や表面に局在した電荷を持つことを示唆するため、産業・工業的応用上のさまざまな場面におけるインパクトが期待されます。
星のゆりかごを撮影した画像から多数の浮遊惑星を発見 1701物理及び化学

星のゆりかごを撮影した画像から多数の浮遊惑星を発見

すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ(HSC)などを用いて星形成領域を撮影した画像から、およそ100個もの浮遊惑星が発見されました。星形成の理論モデルと比較した結果、これらのほとんどは、通常の惑星と同様に恒星の周りで生まれた後に、それぞれの惑星系から放出されたことが明らかになりました。宇宙空間を漂う惑星質量の天体について、その正体と起源に迫る重要な成果です。
レーザーアシステッド(e, 2e)の初観測 ~レーザー場で歪む電子波動関数~ 1701物理及び化学

レーザーアシステッド(e, 2e)の初観測 ~レーザー場で歪む電子波動関数~

高強度レーザー場中における電子衝撃イオン化過程であるレーザーアシステッド(e,2e)を観測するために、発生する二つの電子を2台の電子分析器で高効率に検出する独自の装置を開発し、アルゴン原子を用いてレーザーアシステッド(e,2e)を初めて観察した。得られたレーザーアシステッド(e,2e)信号の三重微分散乱断面積の解析の結果、アルゴン原子の電子波動関数の歪みを捉えることに成功し、30年以上前に報告されていた理論予測を実証した。
スカスカなゲルの固体物性~ギュウギュウなガラスとは本質的に違っている~ 1701物理及び化学

スカスカなゲルの固体物性~ギュウギュウなガラスとは本質的に違っている~

2021-12-22 東京大学 発表者 水野 英如(東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 助教) 池田 昌司(東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 准教授) 発表のポイント ゲルの固体物性をコンピュータシミュレーション(注1...
夜空をにぎわせた、ふたご座流星群 1701物理及び化学

夜空をにぎわせた、ふたご座流星群

三大流星群の一つ、ふたご座流星群が12月14日に極大を迎えました。夜半過ぎまで満月前の明るい月が空に残り、あまり良い条件ではありませんでしたが、月明かりに負けない明るい流星も見られ夜空をにぎわせました。月が沈んだ後には、暗い空の中で大変多くの流星が見られました。
ad
タイトルとURLをコピーしました