2024-07-02 アメリカ合衆国・国立再生可能エネルギー研究所(NREL)
- NREL と Shell が共同で実施する GCxN（Shell GameChanger Accelerator powered by NREL)プログラムにおいて、バイオテック企業の Hexas Biomass 社がその新技術の市場化を加速する。
- 同社は、燃料用の木材・食用作物や化石燃料ベースの原料を代替できる、XanoFiber と呼ばれる植物ベースの原材料を生産している。その資源は、トウモロコシや竹のような特徴をもつ高茎イネ科草本から育種した、多年草の不稔の作物である XanoGrass。
- XanoGrass は、気候や場所を選ばず一般的なトラクターと農機具を使って育成でき、Hexas 社はハワイに 200 エーカーの試験サイトを準備している。また、ヨーロッパ、アラスカ、カリフォルニア州やワシントン州にパイロットプラントを所有する。
- 通常では何らかの製造プロセスからの廃棄物を取り出した後にその利用方法を決定しているが、今回、NREL は変換技術に関する高価値の情報を Hexas 社に提供し、特定用途に向けて育成されるエネルギー作物開発の初期段階に関与する。
- 持続可能な収入源とエネルギー源を長期的に農村地域に提供し、雇用だけでなくキャリアの創出も目指す。ハワイのようなエネルギー費用の高い場所において、地元で生産されたバイオエネルギー原料を使用することで、その地域の人々のエネルギー使用料金の削減に貢献する。
- NREL と Hexas 社は XanoFiber の概念実証を支援するためにその試験を継続して実施し、同作物をより深く理解して他用途の可能性を探るが、その最も重要な役割はバイオ燃料生産におけるトウモロコシ茎葉の代替。トウモロコシの収穫後に残る茎葉のコストは 1 トン当たり約 86 ドル。効率的な XanoGrass は、その 20%を下回るコストで育成できる。
- XanoFiber はトウモロコシ茎葉の技術経済評価による予測よりも安価となり、1 トン当たり 80 ドルを下回る 70～75 ドルを目指している。代替作物による大幅なコスト削減が可能になれば、プロセスの経済性に大きな影響を及ぼすことになる。
- トウモロコシ茎葉は、持続可能な航空燃料(SAF)製造の前駆体燃料としてエタノールに変換されることが多いが、収穫の季節が限られ、貯蔵中に劣化が進行してコストや炭素強度を増加させる。 トウモロコシ茎葉の代替としての XanoFiber の利用と XanoFiber によるバイオ潤滑油の生産を試みる。
URL: https://www.nrel.gov/news/program/2024/gcxn-company-feedstock-poised-to-be-more-economical-versatile.html
＜NEDO海外技術情報より＞
関連情報
GCxN プログラムウェブサイト
GCxN Shell + NREL: A Global Energy Gamechanber
URL: https://gcxnrel.com/
