ANL が鉄鋼業の脱炭素に向けた新規プロジェクトに着手 (Argonne to launch new project to decarbonize iron production)

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2024-05-08アメリカ合衆国・アルゴンヌ国立研究所(ANL)

ANL が鉄鋼業の脱炭素に向けた新規プロジェクトに着手 (Argonne to launch new project to decarbonize iron production)

・ 米国エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)は先般、Revolutionizing Ore to Steel to Impact Emissions(CO2 排出量低減に向けた鉱石から鉄鋼への改革)プログラムとして 2,800 万ドルの資金提供を発表。
・ 同プログラムの 13 件の新規プロジェクトのうち、炭素排出ゼロの製鉄技術開発プロジェクトにおいて、ANL が 3 年間で 300 万ドルを受領する予定。そのパートナーには、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、パデュー大学ノースウェスト校、Starfire Industries、そして ArcelorMittal が含まれている。
・ 産業部門の中で脱炭素化が最も困難な部門の一つである鉄鋼生産は、世界の CO2 排出量の 11%を占めている。現行の製鉄プロセスの一環である高炉では、鉄鉱石、コークスと石灰石を約 2,700℉の高温で反応させて鉄鉱石を鉄に還元している。この高炉プロセスは、鉄鋼生産における CO2 排出量の約 70%を占めている。
・ このプロセスの代替案となる、ロータリーキルン炉でのマイクロ波駆動の水素プラズマの利用では、1,400℉以下での還元が可能となる。マイクロ波電力によるプラズマ特性を調整し、エネルギーをより効率的に利用することができる。
・ セメント生産に一般的に使用されているロータリーキルン炉では、鉄鉱石を加熱してペレットを形成する必要がなく、エネルギー要件も低減させる。これにより、従来の高炉と比較してエネルギー消費量の 50%の削減を可能にする。
・ ゼロエミッションの同技術の稼働には電力を要し、電力を生産するグリッドが CO2 を排出するが、現行のグリッド条件下でも従来高炉と比較して CO2 排出量の 35%の削減を見込む。再生可能エネルギー源による低炭素グリッドへの移行によって、この削減率が 88%にも達する可能性がある。
・ 同プロジェクトの目標は、1 日に 10kg の鉄を生産するベンチスケールにて不純な鉱石のタコナイトを用いた「概念実証」の実施。成功すれば、その何倍ものパイロットスケール実証の資金を確保する道が開かれる。将来的には、同技術のスケーラビリティーを年間1500万トン以上の工業生産にモデル化する予定。
URL: https://www.anl.gov/article/argonne-to-launch-new-project-to-decarbonize-iron-production

<NEDO海外技術情報より>

関連情報

ARPA-E プロジェクト詳細
Revolutionizing Ore to Steel to Impact Emissions (ROSIE)
URL: https://arpa-e.energy.gov/technologies/programs/rosie

1501生産マネジメント
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