プラスチック微粒子の質量を精度よく推計~プラスチック微粒子の質量と投影面積の幾何学的関係を解明~

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2024-07-19 愛媛大学

愛媛大学大学院理工学研究科の片岡智哉准教授、ディポネゴロ大学CBIOREのH. Hadiyanto教授、東京理科大学創域理工学部の二瓶泰雄教授らの研究グループは、5-25mmのメソプラスチック及び5mm未満のマイクロプラスチック(プラスチック微粒子)の質量と投影面積の幾何学的な関係に着目し、プラスチック微粒子の質量推計の高精度化に成功しました。
これまで世界中の海洋・河川・湖沼の水環境でプラスチック微粒子が採取され、個数ベースの濃度やプラスチック微粒子の幾何形状及び材質に基づき、質量推計がなされてきましたが、個々のプラスチック微粒子の質量の精度評価は十分に行われてきませんでした。本研究では、日本国内17河川35地点で採取した4390個のプラスチック微粒子の質量をウルトラミクロ天秤で計測し、粒子の質量と投影面積に有意な幾何学的な関係があることを明らかにしました。さらに、その関係を用いることで、環境中のプラスチック質量濃度を簡便かつ高精度に評価できることを示しました。今後、本研究で示した関係式を用いてプラスチック微粒子の質量を推計することで、水環境中におけるプラスチック収支(陸域からの流出量と海域での集積量の関係)や生態系への影響の解明に貢献することが期待されます。

研究のポイント
  • 国内17河川35地点において5-25mmのメソプラスチック及び5mm未満のマイクロプラスチック(プラスチック微粒子)を4390個採取して、それら個々の粒子の質量を計測しました。
  • プラスチック微粒子の質量と投影面積に有意な幾何学的な関係があることを明らかにしました。
  • この関係を用いてプラスチック微粒子の質量を簡便かつ高精度に推計できることを確認しました。
  • 本研究成果は水環境中のプラスチック微粒子の存在量の解明や生態影響への解明に貢献できます。

プラスチック微粒子の質量を精度よく推計~プラスチック微粒子の質量と投影面積の幾何学的関係を解明~
プラスチック微粒子の質量と投影面積の幾何学的関係

論文情報

掲載誌:Water Research
題名:Geometric relationship between the projected surface area and mass of a plastic particle
(和訳)プラスチック粒子の質量と投影面積の幾何学的関係
著者:Tomoya Kataoka, Yota Iga, Rifqi Ahmad Baihaqi, Hadiyanto Hadiyanto, Yasuo Nihei
DOI:10.1016/j.watres.2024.122061
URL:https://doi.org/10.1016/j.watres.2024.122061

プレスリリースはこちら(PDF 588KB)

本件に関する問い合わせ先

愛媛大学大学院理工学研究科理工学専攻
片岡 智哉

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