プラスチックゴミから医薬品を作る新しいプロセス (Medicine from garbage? New process shows promise turning plastic trash into pharmaceuticals)

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2022-11-30 南カリフォルニア大学(USC)

プラスチックゴミから医薬品を作る新しいプロセス (Medicine from garbage? New process shows promise turning plastic trash into pharmaceuticals)

・ USC が、ポリエチレン(PE) 廃棄物を高価値の薬理活性化合物にアップサイクルする、化学触媒と真菌を利用した二段階プロセスを開発。
・ PE は、レジ袋や自動車の部品、パッケージング等に使用され、QOL や健康の向上に多大に貢献しているが、PE を有用にしているその強靱な微細構造と優れた物理化学的特性が環境に優しい分解やリサイクルを困難にしている。
・ かつてはハリウッドの著名人や銀鉱山労働者、密輸業者が集った、ロサンゼルス港の約 35km に位
置するサンタカタリナ島には、現在は廃棄物が流れ着き、大量のマイクロプラスチックがゴミと共に約155 万 k ㎡超にも広がる太平洋ゴミベルト(Great Pacific Garbage Patch)の集積点となっている。
・ これは、2040 年までに世界の生産量が年間 11 億トンに達すると予測されるプラスチックの影響を示すもの。米国環境保護庁(EPA)は、PE の実際のリサイクルは約 6%を下回り、材料として回収可能な部分は 30%のみと推定する。
・ 新プロセスではポリマーの約 83%を有用な製品として回収し、レジ袋のような低密度プラスチックのモノマーの約 36%の回収も可能.。PE のリサイクルでは前例の無い効果を提供する。
・ サンタカタリナ港湾で収集した未処理の廃棄プラスチックサンプル(レジ袋や牛乳容器等)を、第一段階プロセスの化学触媒と高圧酸素処理で分解し、アスペルベンゾアルデヒド、シトレオビリジンおよびムチリンの二酸基塩を製造する。
・ 第二段階では、薬剤開発で利用されるアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)の遺伝子
操作した菌株にそれらの二酸基塩を炭素源として与え、抗生物質、コレステロールを低下させるスタチン、免疫抑制物質や抗真菌物質を一週間以内に大量に生産した。
・ 他の種類のプラスチックへの新プロセスの適用の可否をカンサス大学と共に調査する予定。最終的な目標は、様々な種類が混合するプラスチックの処理方法の開発。
URL: https://news.usc.edu/203944/great-pacific-garbage-patch-plastics-pharmaceuticals/

<NEDO海外技術情報より>

関連情報

Angewandte Chemie 掲載論文(フルテキスト)
Conversion of Polyethylenes into Fungal Secondary Metabolites
URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ange.202214609

Abstract

Waste plastics represent major environmental and economic burdens due to their ubiquity, slow breakdown rates, and inadequacy of current recycling routes. Polyethylenes are particularly problematic, because they lack robust recycling approaches despite being the most abundant plastics in use today. We report a novel chemical and biological approach for the rapid conversion of polyethylenes into structurally complex and pharmacologically active compounds. We present conditions for aerobic, catalytic digestion of polyethylenes collected from post-consumer and oceanic waste streams, creating carboxylic diacids that can then be used as a carbon source by the fungus Aspergillus nidulans. As a proof of principle, we have engineered strains of A. nidulans to synthesize the fungal secondary metabolites asperbenzaldehyde, citreoviridin, and mutilin when grown on these digestion products. This hybrid approach considerably expands the range of products to which polyethylenes can be upcycled.

0504高分子製品
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