(Diamonds are not just for jewelry anymore)
2020/12/21 アメリカ合衆国・ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)
・ LLNL、リトアニア・ヴィリニュス大学、ベラルーシ国立大学およびベラルーシ国立科学アカデミーから構成される研究チームが、ダイヤモンドを超ワイドバンドギャップ半導体へと転換する研究を実施。
・ 半導体産業では、シリコンがエレクトロニクス分野を支えてきたが、物理的な限界が近づいている。ダイヤモンドは、パワーエレクトロニクスデバイスで最も重要な優れた電荷キャリア移動度、破壊電界および熱伝導性を備え、高品質の単結晶を成長させる化学蒸着法(CVD)の開発後は特に関心を集めている。
・ 天然のものではなく、高品質の合成ダイヤモンドの特性を調査。目的とする特性を持たせた電子デバイスの作製では、可能な限り高純度の材料から開始することが重要。
・ 光伝導デバイスでは、キャリアの再結合寿命を制御する不純物を取り入れることで理想的な伝導性と周波数特性が得られる。ダイヤモンドでは、電子照射によるより安価で容易なアプローチで格子原子を押し出すことで、同様な効果が得られることを発見した。
・ 本研究では、キャリア寿命を左右する照射欠陥と、技術的に妥当な温度でのアニーリングによる欠陥の挙動を解明。このように欠陥を取り入れた光伝導ダイヤモンドスイッチは、電力系統での電流・電圧サージの制御に使用できる。現行のシリコンスイッチは大きく嵩張るが、ダイヤモンドスイッチは指先に乗るサイズで同様な機能を提供する。
・ また、エネルギー供給システムのアプリケーションとして、メガワット級の高周波発電の可能性を実証。これには、ダイヤモンドの高周波数特性の最適化が必要となる。
・ 本研究は、LLNL の Laboratory Directed Research and Development プログラムが資金を提供した。
URL: https://www.llnl.gov/news/diamonds-are-not-just-jewelry-anymore
<NEDO海外技術情報より>
(関連情報)
Applied Physics Letters 掲載論文(フルテキスト)
Carrier recombination and diffusion in high-purity diamond after electron irradiation and annealing
URL: https://aip.scitation.org/doi/10.1063/5.0028363