2020-07-20 国立天文台
藤川繁久さんが発見した新星(発見画像)。(クレジット:藤川重久)
いて座に9.9等級の新星が発見されました。
2020年7月16日夜、香川県観音寺市の天体捜索者である藤川繁久(ふじかわ しげひさ)さんが、いて座の方向に9.9等級の新天体を発見し、国立天文台の新天体通報窓口に報告しました。この発見報告を受けて海外で分光観測が行われ、この天体が白色矮星(わいせい)の表面で核爆発を起こした「古典新星」という種類のものであることが判明しました。発見から分光観測までは半日足らずという早さで、天体捜索者と研究者との連携がたいへん良好に機能しました。
天の川銀河の新星の発見・報告は、1年間に10件程度あります。日本人による天の川銀河の新星の発見は、2020年に入ってから今回が3件目で、うち2件が国立天文台の新天体通報窓口で取り扱ったものです。新星はいつどの方向で発生するか分からないため、天体捜索者による発見が現象の理解に大いに貢献しています。