2024-07-30 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学(UBC)
The UBC-developed super-black wood inherently prevents light from escaping rather than depending on black pigments. Photo credit: UBC Forestry/Ally Penders
ブリティッシュコロンビア大学の研究者たちは、偶然の発見により、ほぼすべての光を吸収する新しい超黒色材料を開発しました。フィリップ・エバンス教授とケニー・チェン博士課程学生が、木材を防水加工する実験中に、この技術を木の細胞に適用した際、表面が極めて黒くなりました。テキサスA&M大学の測定で、この材料が可視光を1%未満しか反射せず、ほぼすべての光を吸収することが確認されました。この発見を元に、チームは超黒色材料の設計に焦点を移しました。この材料は、天文学の機器の光害を減らし、太陽電池の効率を向上させるなど、多岐にわたる応用が期待されています。特に「Nxylon」と名付けられたこの材料は、黒い顔料に頼らずに光を閉じ込める構造を持ち、ジュエリーや時計の製造に利用されています。エバンス教授とチームは、この技術を商業化するためにNxylon Corporation of Canadaを設立し、持続可能な材料を使った新たな木材の応用を目指しています。
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