2025-12-18 運輸安全委員会
 個人 エアー・ボーンエッジX-R582(超軽量動力機、複座)の事故[墜落](茨城県坂東市 坂東フライングクラブ場外離着陸場付近、令和7年3月2日発生)](https://tiisys.com/wp-content/uploads/2025/12/スクリーンショット-2025-12-18-170042-500x279.png)
<関連情報>
- https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2411
- https://jtsb.mlit.go.jp/aircraft/rep-acci/AA2025-11-1-JR7453.pdf
概要
個人所属エアー・ボーン式エッジX-R582型JR7453(体重移動操縦型超軽量動力機)は、令和7年3月2日(日)、レジャーのため、茨城県坂東市小山の坂東フライングクラブ場外離着陸場を離陸した直後に、付近の雑木林に墜落した。
同機には、操縦者のみが搭乗しており、重傷を負った。同機は中破したが、火災は発生しなかった。
原因
本事故は、同機の離陸上昇開始直後にエンジンの出力が低下した際に、操縦者がPILOT HANDBOOKに示されている緊急手順を逸してエンジンの出力回復を優先したため、機体姿勢が不安定なまま失速に陥り、墜落に至ったものと推定される。
同機のエンジン出力が低下したことについては、同エンジンの後方側ピストン及びシリンダーに、局所的な焼付きが生じたためと推定される。
焼付きが生じたことについては、エンジンを同機へ取り付ける際に、シリンダー・ヘッドとラジエーター・マウントを共締めしているスタッドのナット(2か所)に、マニュアルで定められたトルクが掛けられなかったことで、前方側の燃焼室から圧縮混合気や排気が吹き抜けて適正な出力が得られない状態となったこと、また、前方側と後方側でキャブレター・ピストンのアイドル回転数調整の差異によって、両気筒間での負荷の不釣り合いが生じたためと考えられる。


 個人アグスタA109E(回転翼航空機)の重大インシデント[航空機の装置故障による操縦障害](茨城県結城郡八千代町上空、令和6年7月28日発生)](https://tiisys.com/wp-content/uploads/2025/12/スクリーンショット-2025-12-18-170406-500x179.png)