2025-08-29 IHI技術情報
IHIはタイのSCG Chemicals Public Company Ltd.(SCGC)の石油化学プラントに、世界初となるCO₂排ガスを原料とした低級オレフィン製造パイロットプラントを設置し運転を開始した。本プラントはナフサクラッカーから排出されるCO₂を分離回収し、他工程からの副生水素と組み合わせ、IHIが開発したCO₂変換触媒を用いてエチレンやプロピレンなどを合成する。日量100kgのCO₂を投入する小規模運転を2026年3月末まで実施し、得られたオレフィンと既存商用プラント産オレフィンの物性・互換性を比較評価する予定。今回の試みは、NEDOの委託研究の一環であり、化学産業におけるカーボンリサイクルの実用化に向けた重要なステップである。将来的にはカーボンニュートラル社会に資する商用化が期待される。

SCGCの既存設備を活用した低級オレフィン製造プロセスのイメージ
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