2023-02-24 国土地理院
概要
2023年2月6日(UTC)にトルコ共和国でM7.7とM7.6(トルコ防災危機管理庁;AFAD)の地震が発生しました。日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用して画像の分析を行いました。得られた結果は以下のとおりです。
- M7.7およびM7.6の地震に伴う地殻変動が見られます。
- 東アナトリア断層(East Anatolian Fault)およびチャルダック断層(Çardak Fault)に沿って地殻変動が見られます。地殻変動は地震のメカニズム(左横ずれ)と整合的です。
- 上記断層の近傍で非干渉領域が見られます。地震に伴って地表面が変化した可能性があります。
- 変動域では、東アナトリア断層を挟んで最大で5mを超える変動、チャルダック断層を挟んで最大で4m程度の変動が見られます。
SAR干渉ペア
図 番号 |
観測日 | 観測時間 (UTC) |
衛星 進行 方向 |
電波 照射 方向 |
観測 モード ※1 |
入射角 | 垂直 基線長 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1,2,3 | 2022-09-16 2023-02-17 |
9:33頃 | 南行 | 右 | W-W (350km) |
41.5° | -49m |
4,5,6 | 2022-09-05 2023-02-20 |
21:28頃 | 北行 | 右 | W-W (350km) |
40.5° | 15m |
7,8,9,11 | 2022-09-10 2023-02-11 |
21:35頃 | 北行 | 右 | W-W (350km) |
47.4° | -233m |
7,8,10,12 | 2022-09-11 2023-02-12 |
9:25頃 | 南行 | 右 | W-W (350km) |
47.4° | 464m |
13,14,15 | 2022-04-06 2023-02-08 |
9:40頃 | 南行 | 右 | F-F (10m) |
31.7° | -435m |
16,17,18 | 2019-09-18 2023-02-15 |
21:21頃 | 北行 | 右 | W-W (350km) |
44.9° | -16m |
※1 F:高分解能(Fine)、W:広域観測(Wide)
(参考:ALOS-2プロジェクト/PALSAR-2(JAXA))
解析結果
図1.SAR干渉画像結果 [PNG: 1MB]。震央・余震分布はAFADによる。
図2.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星視線方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図3.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星進行方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図4.SAR干渉画像結果 [PNG: 1MB]。震央・余震分布はAFADによる。
図5.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星視線方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図6.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星進行方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図7.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星視線方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図8.SAR干渉画像結果 [PNG: 1MB]。震央・余震分布はAFADによる。
図9.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星視線方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図10.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星視線方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図11.SAR干渉画像結果 [PNG: 1MB]。震央・余震分布はAFADによる。
図12.SAR干渉画像結果 [PNG: 1MB]。震央・余震分布はAFADによる。
図13.SAR干渉画像結果 [PNG: 1MB]。震央・余震分布はAFADによる。
図14.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星視線方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図15.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星進行方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図16.SAR干渉画像結果 [PNG: 1MB]。震央・余震分布はAFADによる。
図17.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星視線方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図18.ピクセルオフセット法により明らかになった地殻変動(衛星進行方向) [PNG: 1MB]。
震央・余震分布はAFADによる、断層線はStyron et al. (2020)より。
図19.解析エリア
解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA
本成果は、地震予知連絡会SAR解析ワーキンググループの活動を通して得られたものです。
地震概要
地震発生日時
2023年2月6日1時17分(UTC)
2023年2月6日10時17分(JST)
震源位置
37.288°N,37.043°E,深さ8.6km
(AFAD 2023年2月13日現在)
マグニチュード
M=7.7
(AFAD 2023年2月13日現在)
地震発生日時
2023年2月6日10時24分(UTC)
2023年2月6日19時24分(JST)
震源位置
38.089°N,37.239°E,深さ7.0km
(AFAD 2023年2月13日現在)
マグニチュード
M=7.6
(AFAD 2023年2月13日現在)
分析に使用した人工衛星
日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)
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問い合せ先
室長 宗包 浩志(MUNEKANE Hiroshi)
【参考情報】2023年2月9日時点での解析結果
概要
2023年2月6日(UTC)にトルコ共和国でM7.8とM7.5(USGS)の地震が発生しました。日本の地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)に搭載された合成開口レーダー(PALSAR-2)のデータを使用して画像の分析を行いました。得られた結果は以下のとおりです。
- M7.8およびM7.5の地震に伴う地殻変動が見られます。
- 東アナトリア断層(East Anatolian Fault)に沿って地殻変動が見られます。地殻変動は地震のメカニズム(左横ずれ)と整合的です。
- 上記断層の近傍で非干渉領域が見られます。地震に伴って地表面が変化した可能性があります。
- 衛星から遠ざかる方向および近づく方向に最大で2mを超える変動が見られます。
SAR干渉ペア
解析結果
図1.SAR干渉画像 [PNG: 7MB]。断層線はStyron et al. (2020)より。
図2.ピクセルオフセット法による解析画像 [PNG: 5MB]。断層線はStyron et al. (2020)より。
図3.解析エリア
解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA
本成果は、地震予知連絡会SAR解析ワーキンググループの活動を通して得られたものです。
地震概要(USGSによるもの)
地震発生日時
2023年2月6日1時17分(UTC)
2023年2月6日10時17分(JST)
震源位置
37.174°N,37.032°E,深さ17.9km
(USGS 2023年2月9日現在)
マグニチュード
M=7.8
(USGS 2023年2月9日現在)
地震発生日時
2023年2月6日10時24分(UTC)
2023年2月6日19時24分(JST)
震源位置
38.024°N,37.203°E,深さ10.0km
(USGS 2023年2月9日現在)
マグニチュード
M=7.5
(USGS 2023年2月9日現在)