日本列島の成り立ちを記録する北アルプスの地質を解明-富山新潟県境・泊地域の5万分の1の地質図を刊行-
産業技術総合研究所 地質調査総合センターは富山県と新潟県の県境・泊地域での地質調査の結果をまとめた5万分の1の地質図「泊地域の地質」(著者:竹内 誠・古川 竜太・長森 英明・及川 輝樹)を完成させ、2017年8月25日に刊行し、9月4日頃から委託販売を開始する。
日本海に面する泊地域は富山県東部から新潟県西部に位置し、飛騨山脈(通称北アルプス)の最北部を含む。この地域周辺は日本列島の成り立ちを知る上で重要な地殻変動を記録した幅広い年代の地質が数多く見られる「地層の宝庫」であるが、特に北アルプスが急峻(きゅうしゅん)で険しい山脈であることなどからこれまで詳細な地質調査が行われてこなかった。今回の5万分の1の地質図の刊行により、初めて泊地域の詳細な地質が明らかとなり、日本列島の歴史を知る上で貴重な資料となる。今後、観光産業や防災・減災の基礎となる重要な資料として、また、地元住民の地域に対する理解促進のための資料としての利活用が見込まれる。 |