埼玉新都市交通株式会社 伊奈線の列車脱線事故(平成31年1月16日発生)

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2020-10-29 運輸安全委員会

概要

報告書番号:RA2020-5-1

発生年月日:2019年01月16日

区分:鉄道

発生場所:伊奈線 加茂宮駅~鉄道博物館駅間(複線)[埼玉県さいたま市] 大宮駅起点2k045m付近

事業者区分:第三セクター

事業者:埼玉新都市交通株式会社(法人番号 5030001042348)

事故等種類:列車脱線事故

都道府県:埼玉県

概要:埼玉新都市交通株式会社の伊奈線内宿駅発大宮駅行き6両編成(ワンマン運転)の上り第1052A列車は、平成31年1月16日(水)、加茂宮駅を定刻(11時01分)に出発した。列車の運転士は、加茂宮駅~鉄道博物館駅間を速度約30km/hで走行中、列車の後方から「ボン」という異音が聞こえたのち、ブレーキを使用した。
停止後、各車両の車内を通って状況を確認し、5両目(以下、車両は前から数え、前後左右は列車の進行方向を基準とする。)の後方の貫通路から6両目を見たところ、6両目の車体前部が左へ傾き約50cmずれていた。
総合指令所からの連絡を受け到着した係員が確認したところ、6両目の車体左前部が高架橋の側壁に接触し、第1軸左のタイヤが損壊した状態で走行路から逸脱していた。また、同軸右のタイヤも破損していた。
列車には、乗客約100名、運転士1名が乗車していたが、負傷者はいなかった。
なお、本事故は、鉄製の車輪の鉄道と異なり、ゴム製のタイヤを車輪として用いた鉄道において発生したものである。

原因:本事故は、本件車両の前軸左タイヤの破損によって空気圧が急激に低下し、タイヤが破損したまま走行したことにより中子が損壊し、案内輪が案内軌条の下方に外れて走行輪が走行路から逸脱したため脱線したものと推定される。
タイヤが破損したことについては、タイヤの極端な空気圧不足によってタイヤ内面と中子が接触した状態で走行したことにより、スチールベルトの素線が切れたものと推定される。
タイヤの極端な空気圧不足となったことについては、トレッド部の摩耗によりスチールベルトが露出した状態で走行したため、ベルトの素線が切れ、素線の一部がタイヤの内面にまで達することにより空気漏れが発生したためと考えられる。
タイヤのトレッド部の摩耗によりスチールベルトの露出した状態で走行したことについては、臨時検査時に主溝の深さを測定しなかったことや、列車検査時にタイヤの摩耗状態について確認することとなっていなかったため、トレッド部の主溝が摩耗によりなくなっている状況を十分に確認しないまま、運用し続けたことが要因として考えられる。

死傷者数:なし

公表年月日:2020年10月29日

報告書(PDF):

 

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