ゲノム編集技術を用いてiPS細胞から「ユニバーサル」な血小板の作製に成功

スポンサーリンク

2020-01-07 京都大学

鈴木大助 医学研究科博士課程学生(現・千葉大学学部生)、杉本直志 iPS細胞研究所講師、堀田秋津 同講師、江藤浩之 同教授(千葉大学再生治療学研究センター長)らの研究グループは、ゲノム編集技術を用いてiPS細胞からHLAクラスIを欠失させた巨核球株(imMKCL)を作製し、HLA欠失血小板を製造することに成功しました。このHLA欠失iPS血小板は、HLAクラスIの型を問わずに輸血可能な「ユニバーサル」製剤となります。

 一方、HLA欠失iPS血小板は、血小板輸血不応症の原因となる抗HLA抗体に攻撃されないものの、HLAクラスIの発現が低下した細胞を攻撃することが知られているNK細胞に影響を受けないかはわかっていませんでした。そこで、培養皿内でのNK細胞の反応性の検証に加え、熊本大学と共同で、NK細胞を含むヒト血球系を持つマウスモデルを確立し、実際にHLAクラスI欠失血小板が免疫システムに排除されることなく体内を循環することを確認しました。

 本研究成果はNK細胞に攻撃されにくいという血小板のユニークな免疫特性を明らかにするとともに、HLA欠失iPS血小板が、血小板輸血不応症の場合にも有用なユニバーサルな製剤となることを実証し、iPS血小板の産業化に向けた基盤となります。

 本研究成果は、2019年12月27日に、国際学術誌「Stem Cell Reports」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究の概要図

詳しい研究内容について
書誌情報
  • 日本経済新聞(12月28日夕刊 8面)および読売新聞(12月29日 25面)に掲載されました。