嗅覚と遺伝子多型、嗅覚と脳画像・認知機能に関するアドオンコホートを開始

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2019-08-19 東北大学東北メディカル・メガバンク機構,日本医療研究開発機構

発表のポイント
  • 嗅覚テストと遺伝子多型*1及び嗅覚と脳画像・認知機能に関するアドオンコホート*2を開始します。
  • 2020年3月までに総計2,000人のご協力を得て、嗅覚と遺伝子、嗅覚と認知機能・脳画像の関連について解析します。
概要

東北大学東北メディカル・メガバンク機構は株式会社豊田中央研究所との共同研究で、嗅覚テストと遺伝子多型及び嗅覚と脳画像・認知機能に関するアドオンコホートを開始します。

本研究の対象は、当機構が実施している「脳と心の健康調査」(MRI撮像等を行う調査)に既に参加されている方々のうち、本研究に対する協力に同意してくださった方で、2019年8月から2020年3月までに、総計2,000人のご協力を得たいと考えています。

嗅覚をはじめとする感覚特性には個人差があることが知られていましたが、当機構の日本人全ゲノムリファレンスパネル*3を用いた株式会社豊田中央研究所との共同研究により、日本人特有の嗅覚受容体遺伝子多型を特定し、細胞レベルの実験で遺伝子多型の反応性に違いがあることを明らかにしてきました。そこで実際に嗅覚と遺伝子多型にも関連があるかにつき評価をすることを計画しました。また、嗅覚と認知機能・脳画像の関連も報告されつつあり、嗅覚検査の結果と脳画像所見・認知機能テストの結果も併せて解析する予定です。

本研究では、嗅覚に関する情報を、参加者の方に所要約10~15分程度の嗅覚テストを受けていただくことで収集します。参加者の方々は、既に東北メディカル・メガバンク計画(【参考】を参照)のコホート調査に参加されており、また、「脳と心の健康調査」にも参加されていることから、嗅覚テストの結果は、すでに協力いただいている遺伝子情報・認知機能情報・脳画像情報などと併せて解析される予定です。


嗅覚テスト機器

本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による東北メディカル・メガバンク計画におけるコホート調査へのアドオン調査として、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が株式会社豊田中央研究所と共に行います。

今後の展望

本解析により、新規の嗅覚受容体の遺伝子多型と嗅覚特性、更に生活環境、ライフスタイルや疾患との関係性を明らかにできれば、個人ごとに最適な生活環境、生活空間の提供や認知機能低下の早期発見、及び予防法を提供することが可能になると考えられます。

参考
東北メディカル・メガバンク計画について

東北メディカル・メガバンク計画は、東日本大震災からの復興と、個別化予防・医療の実現を目指しています。東北大学東北メディカル・メガバンク機構と岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構を実施機関として、東日本大震災被災地の医療の創造的復興および被災者の健康増進に役立てるために、平成25年より合計15万人規模の地域住民コホート調査および三世代コホート調査等を実施して、試料・情報を収集したバイオバンクを整備しています。本計画については、平成27年度よりAMEDが研究支援担当機関の役割を果たしています。

用語解説
*1. 遺伝子多型:
ゲノムDNA配列の個人間の違い。
*2. アドオンコホート:
すでに実施しているコホート調査(本研究の場合、東北メディカル・メガバンク計画の長期健康調査)に追加して実施する調査。
*3. 日本人全ゲノムリファレンスパネル:
数千人規模の全ゲノム解析を行い構築した日本人のリファレンスパネル。一塩基バリアント(Single Nucleotide Variant:SNV)、挿入・欠失の位置情報、アレル頻度情報などをまとめたデータベース。なお、一塩基バリアントは、基準となる配列と比べてDNAで一塩基だけ他の塩基に置換されていること、アレル頻度とは、そうしたバリアント等がヒトの集団の中でどれだけの頻度で現れるかを示す頻度を示す。
東北大学東北メディカル・メガバンク機構のHP
お問い合わせ先
研究に関すること

東北大学東北メディカル・メガバンク機構
個別化予防・疫学分野
教授 寳澤 篤(ほうざわ あつし)

報道に関すること

東北大学東北メディカル・メガバンク機構
長神 風二(ながみ ふうじ)

AMED事業に関すること

国立研究開発法人日本医療研究開発機構
基盤研究事業部 バイオバンク課

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