レーダ雨量計の利活用

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2019-03-28 更新(河川情報センター)

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レーダ雨量計の利活用

レーダ雨量計全国合成システムやXRAINでは、定量的に精度の高い合成レーダ雨量をオンラインで配信したり、オフラインの水文データとして保存することが可能となりました。
これにより、洪水予測やダム管理支援などに使用するオンライン活用、河川計画流量検討や洪水再現検討等のオフライン活用など、正確な雨量強度とその分布が求められるというレーダ雨量の特性を生かしたさまざまな利活用が期待されます。
以下、レーダ雨量計ならではの雨量情報活用の事例として、防災情報の提供、災害の監視、洪水流出予測、道路交通情報、洪水危険度情報の配信について紹介します。

 1.防災情報の提供

合成レーダ雨量は、川の防災情報や国土交通省の統一河川情報システム・防災情報提供センターの防災情報のひとつとして配信されています。


【図1】 川の防災情報画面
http://www.river.go.jp/kawabou/ipTopGaikyo.do

 2.災害の監視

レーダ雨量を用いて台風や発達した低気圧の接近に伴う雨域の移動を示すことにより、災害の監視情報として活用することができます。
図3は、2017年7月5日の九州北部豪雨の際のレーダ雨量です。筑後地方から大分県に延びている強雨域をしっかりと捉えていることがわかります。


【図2】 防災情報提供例
(国土交通省 防災情報提供センター画面)
http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/


【図3】 九州北部豪雨時のレーダ雨量画面
(2017年7月5日16時30分)

 3.レーダ雨量を用いた洪水流出予測 (※特許取得済)

レーダ雨量計ならではの降雨の時間的・空間的な分布情報を、洪水予測モデルの入力値として活用することにより、降雨特性を反映した精度の高い洪水予測が可能になります。
河川情報センターでも、レーダ雨量を用いた洪水予測システムを構築しています。
※全国合成レーダ雨量を用いた分布型流出予測システム(特許第4682178号)

 4.道路交通情報

(一財)道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)では、2015年4月より新たにサービスを開始した「VICS WIDE」において、近年多発しているゲリラ豪雨に対応して、ドライバーの前方視認性が低下する50㎜/hr以上の大雨が発生するエリア(250mメッシュ単位)をナビ画面上に表示させる等の情報提供を行っています。
この情報は、国土交通省のXRAINデータを利用して作成しています。


【図4】 XRAINとナビのイメージ
http://www.vics.or.jp/know/wide/04.html

 5.レーダ雨量による洪水危険度情報の配信

河川情報センターでは、雨量観測所がない地域や水位観測所が地震・津波や洪水氾濫により損傷した地域でも、それらの河川情報を補完するものとして「レーダ雨量による洪水危険度情報」を県、市町村関係者等にお知らせするというサービスを行っています(試験運用中であり、一般の方には未公開です)。
本システムでは、あらかじめ設定された洪水危険度評価地点の上流域で大雨が発生し、それが評価地点付近の河川の増水や氾濫に注意すべき雨量になったときに、アラームメールが配信されます。
2019年4月現在、東日本大震災により浸水の危険性の高まっている「仙台湾沿岸域」を対象に、上記の浸水情報メールを配信していますが、それ以外でも岩手県や大分県での実績があります。

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