米国におけるクラウドファンディングの現状

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 米国におけるクラウドファンディングの現状

 中沢 潔 JETRO/IPA New York

1 サマリー

「クラウドファンディング」(Crowdfunding)とは、新規事業等のために、不特定多数の人々から必要な資金 を調達することである。資金を調達したい者は、クラウドファンディング・プラットフォームで、資金調達の募集 (キャンペーン)を行い、資金提供者を募る。クラウドファンディングには主に以下のような 4 つのタイプがあ ると言われている。

 ・購入(Reward)型: 資金提供者に、対価として物品やサービスを渡す。
 ・寄付(Donation)型: 見返りを与えずに寄付を募る。
 ・投資(Equity)型: 投資(提供資金)を民間企業の株式と交換できる。
 ・貸与(Lending、あるいは Debt)型: 期間と利息が予め定められたローンの形で資金
調達が行われる。

プラットフォームとして、Kickstarter(購入型)、Indiegogo(購入型)、GoFundMe(寄付型)が、規模が大きいものとして知られている。

Pew Research Center の 2016 年のレポート1によれば、米国では、大人の22%が Kickstarter や GoFundMe などのクラウドファンディングで資金を提供したことがあり、これまでに資金提供したプロジェクトの数は1~5件が最多の87%、これまでの最大資金提供額は 11~50 ドルが最多の49%、資金提供した理由は、困っている人を助けるためが最多の68%であり、そのうちの63%は知人を助けるためであった。

クラウドファンディングは、資金力に乏しい個人、中小企業、自治体等だけでなく、大企業においてもマーケ ティングの手段としての例が見られる。大企業の消費者製品立上げには大きなリスクが生じることもあるた め、クラウドファンディングによりアーリー・アダプター2にアクセスし、検証できる。例えば、P&G 社は、同社の新たな消臭器、”Airia Electronic Scent Dispersal™”への反応を実際にリアルタイムで見るために、「Indiegogo Enterprise」で少量の試験販売を行い、用意した50個は2時間で売り切れ、数千人の予約待ちリストができた。ここでは市場の反応と共に、1台100ドルという価格への反応も検証することができた3。その他、GE社、モトローラ社、コカコーラ社、ソニー社、BOSE社、Whirlpool社、Honeywell社等の例がある。

クラウドファンディングの課題として、嘘の美談による詐欺や資金調達後に想定されたプロジェクトが実現する率が低い(Kickstarterで36%、Indiegogoでは9%という説あり)といったことが挙げられるが、特に後者については、各プラットフォームが他の企業と連携して資金調達者への支援等を行っており、クラウドファンディング・プラットフォームは、イノベーションを大企業の独占から開放し「民主化」する新たなイノベーション・モデルにつながる可能性があると考えられる。

現在、日本でも数多くのクラウドファンディング・プラットフォームが存在し(米国でも多数あるが、主要なプレ ーヤーはKickstarter、Indiegogo、GoFundMeの3者になっている)、2017年9月には、Kickstarter社は日本向けサービスを開始したなど、まだまだ試行錯誤の段階にあるが、今後、クラウドファンディングが、個人等が夢や目的を実現する手段として、または企業等が国内外の市場を獲得する手段として検討、活用されることを期待したい。


1 http://www.pewinternet.org/2016/05/19/collaborative-crowdfunding-platforms/
2 新たに現れた革新的商品やサービスなどを比較的早い段階で採用・受容する人々
3 https://www.Indiegogo.com/projects/airia-the-future-of-whole-home-freshening#/


図表 3:CircleUp Helio システム

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