赤ちゃんは他者が視線を向けていたヒトを好む

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視る・視られることの理解は発達の早期から始まっていた

2018/08/28 京都大学

石川光彦 文学研究科博士課程学生、板倉昭二 同教授らの研究グループは、赤ちゃんは他者の視線が向けられていた人物の顔を長く見ており、その人物に対して好意を持つことを明らかにしました。本研究成果は、ヒトの視線が社会的関係において持つ意味合いを、発達の早期から理解している可能性を示唆しています。

本研究成果は、2018年8月13日にスイスの国際学術誌「Frontiers in Psychology」のオンライン版に掲載されました。

研究者からのコメント

本研究にご協力いただいた本学の赤ちゃん研究員さん、そして保護者の皆様に心より感謝を申し上げます。言葉を話すようになる前の赤ちゃんにとって、大人の視線の情報はコミュニケーションにおいて非常に重要な役割をもっていると考えられます。自閉症スペクトラムではこのような視線情報の使用が困難であることが示されているので、赤ちゃんの頃からどのように他者の視線情報を使用しているのかを基礎研究で解明していくことで、自閉症スペクトラムの早期発見や介入支援に貢献していきたいと思います。

概要

赤ちゃんは生後間もない頃から他者の「視線」に対しての感受性が高いことが、先行研究によって示されてきました。そこで、本研究グループは、他者の視線が向けられていたことによって、その人物に対する選好がみられるかを生後10ヶ月の赤ちゃん19名を対象に検討しました。

まず、ヒトが2名いる場面で、一方がもう一方の人物に対して視線を向ける場面と、反対に視線を背ける場面を赤ちゃんに見せました。その後、他者の視線が向けられていた人物の顔と視線を背けられていた人物の顔を同時に提示して、どちらの顔を赤ちゃんが長く見るか調べました。その結果、赤ちゃんは他者の視線が向けられていた人物の顔を長く見ており、他者の視線が向けられることで、視線を向けられていた人物に対する赤ちゃんの選好が高まったことが示されました。本研究成果によって、視線が向けられることはポジティブなことであるというような、ヒトの視線が社会的関係においてもつ意味合いを、発達の早期から理解している可能性が示唆されました。

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.3389/fpsyg.2018.01503

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/234126

Mitsuhiko Ishikawa, Shoji Itakura (2018). Observing Others’ Gaze Direction Affects Infants’ Preference for Looking at Gazing- or Gazed-at Faces. Frontiers in Psychology, 9:1503.

  • 毎日新聞(8月13日夕刊 1面)に掲載されました。
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