JAXA星出彰彦宇宙飛行士の国際宇宙ステーション長期滞在 及びISS船長就任の決定について

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2018-03-02 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の星出彰彦宇宙飛行士がISS第64次/第65次長期滞在搭乗員に決定されましたのでお知らせいたします。星出宇宙飛行士は、日本人として2人目のISS船長として第65次長期滞在の指揮をとります。
星出宇宙飛行士は、平成11年にJAXA宇宙飛行士候補者として選抜されたのち、平成20年6月には、ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)としてスペースシャトルによる「きぼう」日本実験棟の打上げミッション(3便のうち2便目)に搭乗しました。また、平成24年7月には、ソユーズ宇宙船(ISSへの搭乗員打上げ31回目:31S)に搭乗し、ISS第32次/第33次長期滞在搭乗員のフライトエンジニアとしてISSに124日間滞在しました。今回が3回目の宇宙飛行となります。

滞在時期:2020年5月頃から約半年間

主な任務:第64次長期滞在(約4ヶ月間):フライトエンジニアとして、「きぼう」を含むISSの各施設の維持・保全、科学実験、ISSロボットアーム操作等を実施する予定
第65次長期滞在(約2ヶ月間):上記任務に加え、ISS船長としてミッションの達成及び全搭乗員の安全確保に向けて指揮をとる。

今後の予定:ISSの長期滞在に必要な訓練を本年秋頃から開始する予定。

星出彰彦宇宙飛行士の略歴


星出 彰彦(ほしで あきひこ)
宇宙航空研究開発機構 宇宙飛行士
49歳(2018年3月2日現在)

1968年東京都に生まれる。

1992年慶応義塾大学理工学部機械工学科卒業。

1997年12月UNIVERSITY OF HOUSTON CULLEN COLLEGE OF ENGINEERING航空宇宙工学修士課程修了。

1992年~1994年NASDA(現JAXA)名古屋駐在員事務所において、H-Ⅱロケットなどの開発・監督業務に従事。

1994年~1999年筑波宇宙センターやNASAジョンソン宇宙センターなどにおいて、宇宙飛行士訓練計画の開発支援や実験装置の人間機械系設計評価支援および、若田宇宙飛行士の搭乗したSTS-72ミッションなどの支援等、宇宙飛行士の技術支援業務に従事する。

1999年2月NASDA(現JAXA)より国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として、古川聡、山崎直子とともに選抜される。

1999年4月NASDA(現JAXA)が実施する日本人ISS搭乗宇宙飛行士の基礎訓練に参加。

2001年1月宇宙飛行士として認定される。

2001年4月ISS参加機関の国際協力のもとに実施されるISS搭乗宇宙飛行士のアドバンスト訓練に参加。併せて、ISSに取り付けられる「きぼう」日本実験棟および宇宙ステーション補給機(HTV)などの開発・運用に関わる技術支援業務などを実施。

2004年5月ソユーズ-TMA宇宙船フライトエンジニア資格を取得。

同年6月よりNASAスペースシャトルのミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)候補者訓練に参加。

2006年2月NASAよりMSとして認定される。2007年3月「きぼう」日本実験棟の打上げ3便のうち、2便目(船内実験室、ロボットアーム打上げ)(1Jミッション/STS-124ミッション)の搭乗が決定。

2008年6月スペースシャトル「ディスカバリー号」による1Jミッション(STS-124ミッション)に参加。日本人で初めてISSのロボットアームを操作して、「きぼう」日本実験棟船内実験室のISSへの取付けや、3月にISSへ仮設置された船内保管室の船内実験室への移設を行った。また、船内実験室の起動、「きぼう」ロボットアームの初期起動など、「きぼう」に関わる作業全般を担当した。

2009年11月ISS第32次/第33次長期滞在搭乗員フライトエンジニアに任命される。

2012年7月~11月ISS第32次/第33次長期滞在搭乗員フライトエンジニアとしてISSに124日間滞在。滞在中は、「きぼう」での実験やISSの維持管理を行ったほか、3回の船外活動、宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)ミッションやドラゴン補給船運用1号機(SpX-1)ミッション、小型衛星放出技術実証ミッションに関わる軌道上作業などを実施。打上げ、帰還ともにソユーズTMA-05M宇宙船(31S)に搭乗。

2014年7月米国フロリダ州沖にある米国海洋大気圏局(NOAA)が所有する海底研究施設「アクエリアス」における第18回NASA極限環境ミッション運用(NEEMO18)訓練にコマンダーとして参加。

2016年4月~10月JAXA宇宙飛行士グループ長就任。

 

JAXA宇宙飛行士の長期滞在実績と予定


 

星出彰彦宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在 及びISS船長就任の決定について

平成30年3月2日

この度、ISSの多数者間搭乗員運用会合の承認を得て、星出彰彦宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)第64次/第65次長期滞在及び第65次ISS船長への就任を皆様にご報告できることについて、非常に喜ばしく思っております。
現在の計画では、星出宇宙飛行士は、2020年の5月頃から約半年間ISSへ搭乗する予定であり、9月頃からの第65次長期滞在では、ISS船長としてISS全体の指揮をとる予定です。
星出宇宙飛行士は、平成20年、スペースシャトルによる「きぼう」日本実験棟の打上げフライトに参加し、「きぼう」船内実験室とロボットアームをISSへ取り付け、起動させる任務を実施しました。
また、平成24年にはISS第32次/第33次長期滞在において124日間ISSに滞在し、ロボットアームによる小型衛星放出の手順確立に向けた実証作業や、機器交換のための船外活動等を実施しました。
さらに平成26年に星出宇宙飛行士は、NASA極限環境ミッション運用訓練のコマンダーとして、NASA2名、ESA1名の宇宙飛行士等から構成される多国籍チームを指揮しました。宇宙飛行中に達成した任務や、これら地上での訓練や業務成果がJAXA内及びISS計画参加機関から高く評価され、今回、ISS船長としてリーダーシップを発揮することになりました。
明日3月3日には、我が国政府のリーダーシップのもと、第2回国際宇宙探査フォーラムが開催され、宇宙探査における国際協力についての意見交換が行われる予定です。
今後も、日本人宇宙飛行士の継続的なISSへの長期滞在を通じて有人宇宙活動の実績を重ね、宇宙探査等の国際協力においても、我が国が様々な役割においてリーダーシップを発揮できるよう新たな技術や知見の蓄積を行なっていく所存です。
更に、その活動は次代を担う若者の科学への好奇心を高めるとともに、社会に役立つ成果の創出にも繋がるものと考えております。
この度の決定にあたり、内外の関係者の皆様方から賜りましたご尽力に対し、心から感謝いたします。

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
理事長 奥村 直樹


 

国際宇宙ステーション第64次/第65次長期滞在 搭乗決定にあたっての抱負

平成30年3月2日

この度、国際宇宙ステーション(ISS)第64次/第65次長期滞在への搭乗が決定し、また第65次長期滞在中は船長の任に就くことになりました。日本が誇る「きぼう」日本実験棟の打ち上げから10年となる節目の年に搭乗が決定したことを、感慨深く思います。搭乗決定にあたり、ご尽力いただいた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
現在活躍している金井飛行士をはじめ、これまでのべ8名の日本人宇宙飛行士がISSに長期滞在し、「きぼう」日本実験棟や宇宙ステーション補給機「こうのとり」など、日本の高い技術力を持ってISS計画を支え、地上での我々の生活に役立つ研究や技術の発展に貢献してきました。近年ではより多くの国々が宇宙開発に参画、また民間企業が宇宙活動の一翼を担うようになり、世界の宇宙開発は新しい時代に入りました。その中で、ISS計画以降も持続可能な宇宙探査を国際的に進めるにあたり、日本はさらに中核的な役割を果たす時期に来ていると感じます。
搭乗予定の2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、世界中のアスリートが一堂に会して記録に挑戦します。私も、これまでの2回の宇宙飛行の経験を踏まえ、ISS船長としてクルーおよび世界中の関係者とスクラムを組んで、果てしなき宇宙へ挑戦したいと思います。新しい時代のために、引き続き世界の宇宙開発をご支援いただければ幸いです。

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構
宇宙飛行士 星出彰彦

 

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