第11回日ロ渡り鳥等保護条約会議の結果概要について

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平成29年12月4日 環境省

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第11回日ロ渡り鳥等保護条約会議の結果概要について

第11回日ロ渡り鳥等保護条約会議が11月7日から8日にかけてロシア・モスクワで開催されました。各国における渡り鳥保全施策や研究成果等の情報交換、渡り鳥保全のための今後の協働のあり方、特に前回会議で日ロ間で情報交換を行うべき優先種として選定されたヘラシギ、ハマシギ、シマアオジ、カシラダカ、オオジュリン、ガンカモ類、海ワシ類等について意見交換を行い、引き続き協力を推進することを確認しました。
また、次回会合は2年以内に日本において開催することが合意されました。

1.開催日程及び場所

(1)日時:

平成29年11月7日(火)~8日(水)

(2)場所:

ロシア・モスクワ ロシア天然資源環境省内会議室

2.会議(注1)の概要

ヘラシギ・ハマシギに関する意見交換

ロシアより、ヘラシギについて、チェコト半島の繁殖地における生息数の推移や繁殖成功率等の研究について報告がありました。

日本からは、ヘラシギの国内希少野生動植物種への指定、ハマシギが減少傾向にあることについて報告しました。また、日本側より、ヘラシギ及びハマシギを保全するための取組として、北海道、サハリン、カムチャッカなどオホーツク海沿岸域における重要な生息地におけるモニタリングネットワークを構築することを提案したところ、ロシア側も提案に賛同し、今後、モニタリングネットワーク構築に向けた調整を行うことが合意されました。

ガンカモ類に関する意見交換

ロシアより、ハクガンの生息数の推移及び繁殖状況について報告がありました。日本からは、アジアで越冬するハクガンの復元計画の概要について説明し、約300羽が日本で越冬している状況を報告しました。

続いて、日本よりシジュウカラガン羽数回復計画について報告し、2016-2017年シーズンには、越冬数が3,000羽を超えるまでに回復したことが共有されました。また、日本から、日ロ共同で千島列島におけるシジュウカラガンの繁殖状況調査を実施することを提案し、今後日ロ間で協力することが確認されました。

また、コクガンについては、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップのガンカモ作業部会の下でのコクガン単一種国際行動計画の策定に向けて、日ロが共同して取組を進めることが確認されました。

これらのガン類の保全に対し、ロシア側の狩猟の枠組みや法規制についての意見交換が行われ、ロシアにおける狩猟の制度について引き続き情報交換を行うことが確認されました。

海ワシ類の関する意見交換

ロシアより、サハリンで繁殖するオオワシのうち46%が北海道で越冬することが、標識調査及び衛星追跡調査から明らかになっており、今後も日ロ共同で調査を実施することが重要との認識が示されました。

日本より、海ワシ類のバードストライク防止の取組として、海ワシ類の風力発電施設バードストライク防止策の検討・実施手引き及びセンシティビティマップ作成の取組状況について紹介しました。また、ロシアにおける環境影響評価の実態について情報共有するとともに、極東地域における風力発電の導入状況等について今後も継続して意見交換することを確認しました。

シマアオジ、カシラダカ、オオジュリン等に関する意見交換

ロシアより、ロシア全土におけるシマアオジの減少傾向が紹介されました。また、2016年よりサハリンにおいて日ロ共同でシマアオジの生態調査が実施されたことが報告され、今後も渡りルートの解明やDNA分析などの分野で協力することが確認されました。

日本からは、国内における分布の変遷のほか、国際行動計画策定に向けた活動の進捗 を報告しました。また、シマアオジに加え、近年個体数減少が著しいカシラダカについて、個体数減少の推移を報告しました。今後も、シマアオジ、カシラダカ、オオジュリン等のホオジロ科の鳥類を中心として、陸鳥の保全の推進のため、連携を強化することを合意しました。

その他

タンチョウ、ナベヅル、マナヅル、コウノトリ等のツル類、シマフクロウ、エトピリカ、ウミガラス等の海鳥等に関する生息状況や、、鳥インフルエンザの発生状況や対策、鳥類の密猟対策等についても情報交換を行いました。

注1)正式名称「渡り鳥及び絶滅のおそれのある鳥類並びにその生息環境の保護に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の条約」:昭和63年12月20日発効

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8282
課   長:堀上 勝 (内線 6460)
補   佐:中島 慶次(内線 6465)
専 門 官:大川 瑛子(内線 6468)
係   長:有山 義昭(内線 6670)
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