花の性別により微生物が異なることを発見

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雄花と雌花が蜜や昆虫を介して細菌や酵母に与える効果を検証

2018/09/18 京都大学

辻かおる 生態学研究センター研究員らの研究グループは、ヒサカキとハマヒサカキの花を調査した結果、植物の雄花と雌花では花にすむ微生物群集が異なることを明らかにしました。

本研究成果は、2018年9月14日に、米国の国際学術誌「Ecology」のオンライン版に掲載されました。

研究者からのコメント

本研究では、オスとメスの違いが、予想以上に、他の生き物たちに大きな影響を与えていることを発見しました。これまで、オスとメスの違いは同じ種の中の繁殖にかかわる戦略などの文脈で研究されることが多かったのですが、本研究では、雌雄の違いが、他の種の生物どうしの関係を大きく変化させることを示しています。この研究をとおし、普段見過ごしがちな小さな花の中でも、昆虫や微生物たちがお互いに影響を与え合いながら複雑な関係を築き上げている、生き生きした世界があるのを感じました。今後、このような現象を幅広い分類群で調べれば、雌雄の違いが生態系の中でどれほど大きい影響を持つのかが明らかになると期待しています。

概要

動物や植物でみられる雄と雌の違いは、繁殖にかかわるだけではなく、他の種の生き物たちにも影響を与えることがあります。本研究グループは、花の蜜に住む酵母や細菌といった、異なる分類群の生物からなる群集に着目し、花の雌雄差がそうした微生物に与える効果について検証しました。

ヒサカキとハマヒサカキの雄花と雌花について調べたところ、雄花のほうが糖濃度が低く微生物が多いこと、雄花と雌花では多くみられる微生物の種が異なること、さらに、昆虫が花の蜜を採餌する時に、蜜に微生物が持ち込まれるために生じる微生物群集の変化は雄花で大きいこと、そして、蜜に微生物が持ち込まれる順番が異なることで微生物の群集構造が変化する現象は雌花でのみ起こることを見出しました。

このような雄雌差により生じる微生物群集の違いは、蜜の成分を変え、その結果、蜜を求めて花を訪れる昆虫の送粉者としての役割にも影響を与える可能性があります。本研究成果により、ある生物の雌雄差が他種の生物にも影響を及ぼすことが示されました。

図:(上)研究の概念図 (下)酵母の導入実験 (イラスト:辻かおる、深見理、神崎裕一郎)

詳しい研究内容について

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