2017/18年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第11回)を公表(ブラジル)

ad
2018-08-09 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB),農畜産業振興機構
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は8月9日、2017/18年度(10月~翌9月)第11回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
これによると、主要穀物合計では、作付面積は前年度をわずかに上回ったものの、単収がやや下回ることから、生産量も前年度をやや下回ると見込まれている(表1)。トウモロコシの生産量は、前年度比でかなりの減少が見込まれており、前回報告から0.8ポイント下方修正され、8300万トンを下回る予測となった(図1、2)。一方、大豆の生産量は、作付面積の増加により前年度をやや上回るとしている。
表1
図1

トウモロコシの第2期作で干ばつの影響が顕著に

第1期作、前年度比11.9%減の見込み

 トウモロコシの生産量を期別に見ると、第1期作は、前年度比11.9%減の2682万6600トンとかなり大きな減少が見込まれている(表2)。これは、前年度の記録的な豊作により、作付期にトウモロコシ価格が下落していたことで、作付けを大豆にシフトした生産者が増えたことに加え、単収が、豊作だった前年度と比較してかなり減少することが主な要因と見られている。
なお、主要生産州(上位5州)では、ほとんどの地域で収穫が終了していることから、大きな予測の変化は見られなかった。
表2

第2期作は干ばつの影響で低調、7月まで降雨不足の地域も

 第2期作トウモロコシの生産量見込みは、前回報告から0.9ポイント下方修正され、前年度比17.8%減の5535万4700トンとなった(表3)。主要生産州(上位5州)では、マットグロッソ州は1.0ポイント上方修正されたものの、他の州は下方修正となった。マットグロッソ州では、良好な気候により生産は順調だったとされているが、前年度には及ばなかった。他の主要生産州では軒並み干ばつの影響を受けており、サンパウロ州などでは、7月の降水量も平年を大きく下回っているとしている。
表3

マトピバ地域の生産量は前年度をかなりの程度上回る予測

 CONABは、北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量を前年度比8.8%増の677万4500トンと前年度をかなりの程度上回ると見込んでいる(表4)。マトピバ地域の最大生産州であるバイーア州では、良好な天候が第1期作を中心に生産量回復を後押ししたことで、上方修正となった一方、トカンチンス州では、第2期作において、3~4月は良好に成育したが、5月以降に干ばつが発生したことで、前回報告から12.9ポイント下方修正され、前年度比20.2%減の72万200トンと予想されている。
表4
参考1

大豆の生産量は過去最高を記録した前年度を4.2%上回る予測

 大豆生産量は、良好な気候により記録的な豊作となった前年度をさらに4.3%上回る1億1898万5500トンと、過去最高を更新すると見込まれている(表5)。
主要生産州(上位5州)をみると、前回報告からマットグロッソドスル州の生産量が0.4ポイント上方修正された他は据え置かれた。
表5

マトピバ地域の生産量は2年連続で増加、バイーア州は前回報告から1.9ポイント上方修正

 マトピバ地域の大豆生産量は、前年度比17.5%増の1465万3800トンと2年連続で増加が見込まれている(表6)。特に、マトピバ地域の最大生産州であるバイーア州では、良好な天候により単収が大幅に回復したことから、生産量は同18.2%増と、前回報告から1.9ポイント上方修正された。
表6
参考2
参考3
【佐藤 宏樹 平成30年8月17日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
ad

1204農業及び蚕糸
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました