新規半導体「コランダム構造酸化ガリウム」を用いて、ノーマリーオフ型MOSFETの動作実証に世界で初めて成功しました

新規半導体「コランダム構造酸化ガリウム」を用いて、ノーマリーオフ型MOSFETの動作実証に世界で初めて成功しました

2018/08/09  京都大学,株式会社FLOSFIA

藤田静雄 工学研究科教授、金子健太郎 同助教らの研究グループは、株式会社FLOSFIA(フロスフィア)と共同で、新規材料によるパワーデバイスとして、コランダム構造の酸化ガリウム(Ga2O3)を用いた絶縁効果型トランジスタ(MOSFET)を開発し、ノーマリーオフ動作を実証することに世界で初めて成功しました。

研究者からのコメント

本学で開発された新しい半導体材料が、まだ生まれて10年しか経たないうちに、ベンチャー企業との連携の効果によって、実用化に向けて加速していることをたいへん嬉しく思います。この素子を活かして、まずはパソコン電源アダプタから熱(=電気の無駄)を除きたいです。将来は電気自動車、そしてその先の電気飛行機に搭載されるなど、省エネルギー社会に大きく寄与することを夢見ています。この先、お互いの得意な分野を活かしつつ、さらなる研究開発に努めてまいります。

概要

省エネ社会の実現に向けて、パワーデバイス(電力変換に用いる半導体デバイス)の低損失化が期待されています。中でも、酸化ガリウム(Ga2O3)その最有力候補とされてきました。Ga2O3は結晶構造の異なる5つの結晶多形が知られ、そのうちで最も物性値がよいものがコランダム構造(α構造)です。

本研究グループは、コランダム構造のGa2O3を用いた絶縁効果型トランジスタ(MOSFET)の開発に成功しました。さらに、従来は実現不可能とされてきたGa2O3デバイスにおけるノーマリーオフ動作(ゲート電圧が0Vのときに電流が流れず、電圧を上げると電流が流れること)を実証することに成功しました。

本研究成果により、電力変換器の小型化は数十分の一に及ぶことがあり、また、コスト低減効果は電力変換器全体の50%に及ぶことが期待されます。安全・安心が求められる幅広い電源領域での適用が期待され、電気自動車や小型ACアダプタの普及を後押しすることが期待できます。

図:省エネルギー技術を実装したスマートシティ(イメージ)

詳しい研究内容について

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