姉妹染色分体間接着の形成機構を解明〜コヒーシンはDNAの結束バンド !?〜

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Establishment of DNA-DNA Interactions by the Cohesin Ring

Yasuto Murayama, Catarina P. Samora, Yumiko Kurokawa, Hiroshi Iwasaki and Frank Uhlmann

CellPublished Online January 18, 2018 DOI:10.1016/j.cell.2017.12.021

プレスリリース資料

生命の設計図であるDNAは非常に長い“糸”で、細胞核の中で様々なタンパク質と結合し、染色体を形成しています。染色体は細胞が分裂する毎にコピーされ、分配されます。染色体はコピーされた直後、物理的に接着しています(姉妹染色分体間接着)。この染色体の物理的接着がなくなると染色体が正確に分配されなくなることがわかっています。この染色体の物理的接着には「コヒーシン」と呼ばれるリング状のタンパク質の働きが重要です(図)。コヒーシンはDNAと直接結合することがわかっていますが、姉妹染色分体を接着する仕組みはわかっていませんでした。

情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の村山泰斗准教授と東京工業大学の岩崎博史教授らの研究グループは、コヒーシンを細胞から分離精製し、コヒーシンとDNAの複合体の形成を試験管内で再現することにより、コヒーシンによる姉妹染色分体接着の仕組みの一端を明らかにしました。コヒーシンは「結束バンド」のように2本のDNAを束ねることがわかったのです(図)。

本成果によりコヒーシンの性質を詳細に明らかにしたことが、コヒーシンの機能欠損が原因とされている様々な疾患や不妊の原因解明に繋がると期待されます。

本研究成果は、平成30年1月18日 (米国東部時間) に米国科学雑誌 Cell に掲載されました。

本研究は、情報・システム研究機構・村山泰斗准教授、黒川裕美子研究員、東京工業大学・岩崎博史教授、英国フランシスクリック研究所・Frank Uhlmann グループとの共同研究としておこなわれました。

本研究は、科学研究補助金 (16H06160、16H01404、15H059749)、日本分子生物学会若手研究助成富沢純一・圭子基金の支援を受けておこなわれました。

Figure1

図:コヒーシンによる姉妹染色分体間接着の形成モデル。
コヒーシンは、自身のリングの一部を開いて、その内側に通すようにしてDNAと結合し、“2本目”のDNAと結合する。これにより、DNA−コヒーシン−DNAの構造をつくって、2つの姉妹染色分体の間に接着を形成すると考えられる。

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